「それ頑張らな、いつ頑張るんだ」
── 夫の織田さんは子育ても楽しく取り組まれていそうですね。
織田さん:絶対いちばんを取りたいというのが子育てでもあるらしくて。運動会の場所取りも、いちばんになりたいからと朝5時に会場に行っているんですよ(笑)。「1年に1回、それ頑張らな、いつ頑張るんだ」って。卒業式のときもいちばんに並んでくれたおかげで、いい席で我が子の姿を見られました。

── アスリート魂がここに活きるんですね!
織田さん:夫は普段も、「このくらいでいっか」は許さないんですよ。アスリートとして頂点を目指すことが子育てに活きるとは思いませんでした。私としてはありがたいですけどね。
── 夫婦揃ってテレビ番組に出演されることが多いですが、夫婦仲がいいイメージがあります。ケンカはあまりしませんか?
織田さん:おつき合いの期間が長かったんですが、いざ一緒に暮らし始めると細かいところが見えてきて、結婚したてのころはよくケンカしていました。グリーンカレーを作るときにナスの切り方でモメて、夫が家出したことも(笑)。当時は、お互いにいっぱいいっぱいだったがゆえに、言い方がきつくなっていたのもケンカの理由になっていたと思います。
今は、お互いのことでモメることはなく、言い争いが起きるとしたらほぼ子どものことですね。たとえば、私が子どもに叱る口調がキツかったりすると「もうちょっと優しく言ったら」と夫から言われて。私も私で、「子どもが悪いから怒ってるのに、なんで逆に私が怒られてるの」と言い返してしまって。「それは言い方が悪いからやん」なんて感じですね。
私としては、段階を踏んで子どもに怒っているつもりなんです。これは考え方の違いかもしれないんですが、夫としては、そうやって感情的に怒っても子どもは泣くだけで効果はあんまりないと。
── どちらの言い分も、わかる気がします。
織田さん:どちらかが絶対に悪い、というようなことはたしかにあまりないんです。今は、改まってどちらかが「ごめんなさい」と謝るのではなく、時間を置いてお互いに「あんとき悪かったわ」と普通に戻っていくことが多いです。
── 4人のお子さんを育てるうえでのモットーはありますか。
織田さん:あまり干渉しすぎないようにしています。たとえば、子どもが宿題をしていなくてもするまで注意するのではなく、最後に困るのは自分だというのを自覚させることとかですね。朝起きられないのは、早く寝なかったから。やっぱり本当に自分が苦労してみないとわからないことってあると思うんです。
それに子どもって、自分でやろうと思わない限り、どれだけ言ってもやらないときはやらないですよね。この境地に至ったのは、子どもが多くて一人ひとりのすべてにかまってあげられないというのも影響しているかもしれません。
── 夫の織田さんはテレビ番組などで感極まって号泣している姿が印象的ですが、家ではどうですか。
織田さん:私も最近知ったんですけど、家で泣くときは家族に見えないように、トイレやお風呂場で泣いているようなんです。夫は映画などもお風呂に入りながら見ていることがあるので、そういうときにこっそり泣いているとか。家族に泣き顔を見せることはあまりないのですが、子どもの卒業式のときは、最初の入場のところで号泣していましたね。まだ周りは誰も泣いてないよ、というときに(笑)。
── やはり私生活でも、感情豊かですね!中学の同級生で、現在4児の父になった織田さんの変わったことはありますか。
織田さん:結婚して今年で15年目になるんですけど、本当に性格は変わっていないです。夫婦として過ごしていくなかで、家事や育児能力などはスキルアップはしているのですが、基本的に昔と同じです。一緒に家族として生活していくなかで、どんどん進化しているなと感じることが多いですね。
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現在はアイスショーなどに出演する織田信成さんですが、そのメイクや小物作りは妻の茉由さんが担当しているそう。今年で結婚15年目を迎えるおふたりですが、公私共に支え合いながら過ごしているようです。
取材・文/内橋明日香 写真提供/織田茉由