72歳の今も「おさむおにいさん」後輩に伝えたいことは

── 坂田さんは「元・うたのおにいさん」じゃなく、今も「うたのおにいさん」として活動していますよね。

 

坂田さん:今72歳だけど、ずうずうしく「おさむおにいさんです」って自己紹介するからね(笑)。だって、僕は32歳でうたのおにいさんになったから、人生の半分以上がおにいさんなのよ。それで「こんなすばらしい仕事は途中で辞められない、番組は離れてもずっとおにいさんでいよう」って決めたんです。

 

── 最近のうたのおにいさんたちとも交流はあるのですか?

 

坂田さん:横山だいすけくんとは、コンサートや番組収録でときどき会ってます。彼は、うたのおにいさん期間が歴代最長ですね。それだけ長い間子どもたちと触れ合って、彼らのおにいさんだったというキャリアは、唯一無二の財産。今後もそれを生かして頑張ってほしいなと思います。

 

── 今、番組に出演中の花田ゆういちろうさんはいかがですか?

 

坂田さん:彼はすごく品行方正です。真面目だし。この前、うちに遊びにきたんですよ。

 

── ゆういちろうさんはうたのおにいさん歴9年目なので、来年3月でだいすけさんとタイの最長任期になります。

 

坂田さん:そうするとやっぱり、番組卒業後どうしようかなというのは考えますよね。僕は「歌やお芝居がすきなら、ミュージカルの仕事もいいんじゃない」と言ったんだけど、彼は曲づくりもやってみたいようで。だったら現役の今のうちからどんどんつくりなよと伝えました。

 

偉そうなことはいえないけど、僕のあとのおにいさんたち全員を応援してますよ。ただ、僕の時代はSNSはなかったからね。今は個人の発信力が求められる時代だからすごく大変だけど「子どもたちのおにいさん」だった時間は一生の財産になるから、それを活かして活躍してほしいな、と思います。

 

 

坂田さんがうたのおにいさんになってから、ちょうど40年。その間に坂田さんのひとり娘・めぐみさんは芸能界デビューを果たし、今や共演も多いアーティスト同士の関係なのだそうです。

 

取材・文/前島環夏 写真提供/坂田おさむ