おまたが裂け、出産より強烈な痛みを味わって

── 出産は助産院を選んだそうですね。
ユナさん:できるだけ自然な形で出産したかったのと、絶対立ち会い出産でいきたかったんです。コロナ禍でしたが、私がお世話になった助産院では塩さんがずっとつき添うことができたし、最後は塩さんの腕にしがみつきながら娘を出産して、塩さんが臍の緒を切ってくれました。私たちのバースプランを叶えてくれることがとても多くて、本当によかったです。
立ち会い出産を希望したのは、塩さんには父親になる過程も知っておいて欲しかったし、一緒に産む覚悟を…一緒に出産を乗り越えて欲しかったんですね。立会い出産は生々しくて見たくない、見せたくない人もいると思うんだけど、私は塩さんがずっとつき添ってくれたことが何よりうれしかったし、その後の子育てにも影響しているような気がします。出産して、赤ちゃんが血だらけのまま抱っこしたいと助産師さんにお願いしていて、私は臍の緒がついた状態で抱っこしました。塩さんにもそのまま抱っこして欲しかったんですけど、助産師さんに「赤ちゃんが寒いから」と言われたので、毛布を巻いてすぐに抱っこしたのかな。
── 出産したときはどんな気持ちでしたか?
ユナさん:とにかく喜びしかなかったですね。2人で一緒に会えたねって。でも感動したのも束の間、初産だからかもしれないんですが、会陰部が何か所か裂けていたんです。助産院だと医師がいないから、会陰部が裂ける前に切ることができなくて。出産後、裂けた部分を縫うのがすごく痛くて、出産したときより痛かった…。1か月くらいでだいぶ歩けるようになったんだけど、しばらく痛みが続きました。
── それはかなりの痛みだったかと…。ちなみに現在、子育てや家事の分担はどうされていますか?35歳差の夫婦だと考え方や価値観にも違いがあるのかと。
ユナさん:子育てに関しては私がひとりめの出産ということもあり、初めは自分がやりたいようにどんどん進めていました。少し落ち着いてからは、塩さんも一緒にやっています。今は塩さん、すごいですよ。積極的です。
塩さんの仕事は朝早いから保育園には送れないけど、お迎えは絶対行くと言いますね。お風呂も入れるし、オムツ替えもやってくれます。老眼だから拭き残しがないように私がやるけど、その代わり汚物とかサッと捨ててくれるし。
前の結婚では、塩さんの仕事が忙しかったのと、時代背景もあるのかな。ほとんど子育ては任せっきりだったみたいで、オムツも1回くらいしか変えたことがなかったと言っていて、そこには後悔があるみたいなんです。今は子育て2回目と言っても初めてのことが多くて、どんどんやりたいみたい。子どもを持つことにも迷っていた塩さんが、今は娘を誰よりも大事にしてくれて、そこがいちばんうれしいです。