離婚歴があり、娘と孫がいる塩さんと「35歳差婚」を果たしたユナさん。子どもを持つことについては当初、塩さんに不安があったそうですが、話し合いの末、不妊治療を行うことに。しかし塩さんが過去に前立腺肥大の手術をした影響で ──。(全3回中の2回)
妊娠を望むも前立腺肥大の手術による影響で

── 2022年に入籍し、23年5月、ユナさん33歳、夫の塩さんが68歳のときに第1子が誕生しました。ユナさんは結婚する前から「絶対に子どもが欲しい」と思っていたそうですが、塩さんはいかがでしたか?
ユナさん:初めは「ユナが欲しいなら…」みたいな感じでした。今思えば前の結婚で娘さんがいて、その娘さんにも子どもがいるし、塩さんは当時68歳だったから、自分のことを考えても不安になるとは思うんですよね。でも2人で何度も話し合って、最終的には子どもを持とうとなったんです。
── 塩さんは2012年ごろに前立腺肥大の手術を受けています。ユナさんも、もともと排卵しにくい体質だったとのことで、2人で不妊治療のクリニックに通っていたそうですね。まず、塩さんは前立腺肥の手術をしたことによって、妊娠にはどんな影響があったのでしょうか?
ユナさん:前立腺肥大の手術で前立腺の3分の2を取った影響で精子が出せないと聞いていました。前立腺の中にはポンプのように精液を押し出す管があるんですけど、前立腺を取ったことでそれができず、精液が膀胱の中に入ってしまっていたんです。塩さんも、尿に精液っぽいものが混じっていると。でも、それなら尿から精子を取ったらどうか、という話になったんです。
── 医師はなんとおっしゃっていましたか?
ユナさん:前例がないから成功するかはわからないが、排尿してから1時間以内に持ってきたら、そこから元気な精子が取り出せるかもしれない。尿が混ざったままでいいからすぐに持ってきてくださいと言われて。採取した精子で人工授精からスタートすることになりました。
── 人工授精は何回くらいしましたか?
ユナさん:1年くらいかけて10回ですね。人工授精を3〜6回くらいやって、厳しい場合は次のステップとして体外受精に進むという話も出ていたんです。けれど、2回目の人工授精で妊娠できて。結局ダメだったんですが、着床はできるんだと思って、人工授精にかけてみたんです。けれど、10回やっても結果が出ず。それならと、顕微受精(体外受精のひとつ)に切り替えることに。結局、顕微授精をはじめて1回目で妊娠しました。