子どものお迎えに行っても母親だと思われて
── 現在、谷さんは小学校低学年の2人の娘さんを育てる父親です。娘さんたちは谷さんの女装をどんなふうにとらえているのでしょうか。
谷さん:いまのところ、「パパ、かわいい!」と娘たちにとても好かれています。娘ふたりにとっては、私は生身の人間というより「かわいい」マスコット的存在みたいです。でも今後、子どもが高学年、思春期になると、どう変化するかわかりません。娘たちには私の女装については話していますが、もし将来、娘たちに「女装するパパはイヤ」と言われたら、きっぱりやめるつもりです。家族の同意を得られないまま女装を続ける意味はありません。

── 父親としての覚悟を感じます。家の外で、娘さんたちと過ごすときはどのようなことを心がけていますか?
谷さん:子どもが保育園のときは女装姿で送迎し、先生方や保護者と自然におつきあいしていました。私とパートナーの外見が非常に似ており地声が高めなので、お迎えに行くのが妻でも私でも、当時は妻が送迎しているように見えていたのかもしれません。
ただ、子どもたちが小学生になってからは、父子で外出するときは、私が地味な女装を心がけ、目立たないようにしています。キラキラのロリータファッションではなく、ユニクロなどに変えました。女装した私の外見がもとでトラブルに巻き込まれたり、子どもに集中したいときに声をかけられるリスクを避け、子どもが主役でいてほしいからです。でも、ひとりで出かける際は、いままでどおりキラキラですよ。