ダイエットを意識したわけじゃなかったが
── そこからどのようにして、約40キロの減量を達成したのか気になります。サバゲーがダイエットにどのような影響を与えたのでしょうか?
りりあんぬ葵さん:サバゲーは、5キロほどあるエアガンを持って1日中フィールドを走りまわるので、とにかく運動量がすごいんです。ゲームでは、走ったり、しゃがんだり、伏せたりと、全身を使う動作が多く、終わるころには筋肉痛になるほどハード。帰宅するともうクタクタで、自然と食欲も落ちていきました。
家にストックしてあったカップラーメンにも、いつの間にか手が伸びなくなっていて…。ダイエットを意識していたわけではなかったのに、気がつけば1か月半で体重が10キロも落ちていたんです。体も軽くなって、なんだか調子もいい。このままの生活を続ければ、無理なく痩せられるかもしれない…そう思うようになり、食事にも意識を向けるようになったんです。
── それまで「食べること」がいちばんの楽しみだったという日常が、サバゲーをきっかけに変わっていったのですね。食事面では、どんな工夫をされたんでしょう?
りりあんぬ葵さん:主食をブロッコリーに置き換え、朝は韓国で俳優をしている父から教わった、ほうれんそうとりんごのスムージーを飲んでいました。昼はサバゲー会場のカレーをご飯少なめで食べ、停滞期かもと感じたときには、ご飯をレタスに置き換えました。飲み物もそれまでコーラか甘いジュースばかりでしたが、水や麦茶に変更。夜は、ブロッコリーを鷹の爪とオリーブオイルで炒めたり、レンチンした豆腐にめんつゆをかけて食べるスタイルに。栄養の偏りを防ぐため、ビタミンは錠剤で補っていました。
そうしているうちに、2か月でさらに10キロほど落ち、停滞期も1週間くらいで抜けました。もともと代謝がよく、筋肉がつきやすい体質だったことも大きかったのかもしれません。
── 痩せたことで、ご自身にどんな変化がありましたか?
りりあんぬ葵さん:ダイエットとは無縁の生活を送っていた私がサバゲーと出会い、夢中で楽しんでいるうちに、人生で初めて痩せることができました。太っていることをコンプレックスに感じていたわけではなかったけれど、実際に痩せてみると、驚くほど身軽になり、自由に動けるって、こういうことなんだなって実感しています。大好きなサバゲーも、より思いきり楽しめるようになったし、これまで似合わないと思っていた服にも挑戦できるように。何より自分に対する見方が変わり、自己肯定感が上がりました。私にとって、まさに「人生を変える出合い」でしたね。
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現在はサバゲー関連のPRなどでモデルも務めるりりあんぬさん。趣味にハマったことで、サバゲーが徐々に仕事にもなり、人生が大きく変わったそう。ただ、あまりにのめり込んだことで、婚約者とは破談に。それでも「これが私の人生です!」と今は胸を張って言えるそうです。
PROFILE りりあんぬ葵さん
りりあんぬ・あおい。1995年生まれ。アメリカ合衆国カリフォルニア州出身。大学卒業後、通訳・翻訳業に従事。現在は、サバイバルゲームやアウトドア系の企画、モデルとしても活動している。
取材・文/西尾英子 写真提供/りりあんぬ葵