逆境の中で家族の絆深まり「人生に無駄なことはない」

── カイヤさんとしては、エンターテインメントのつもりで演じていたけれど、世間ではそうは受け取ってもらえなかったと。どんな場面でそう感じたのでしょう?
カイヤさん:いちばんつらかったのは、子どもと外出しているときに、見知らぬ人から心ない言葉を浴びせられたことです。「あなたが厳しいから、旦那さんが帰ってこないんじゃないの?」などと言われるたびに、悔しい思いをしましたし、インターネットのコメントにも何度も傷つけられました。だから、子どもにはできるだけ私の出ている番組を見せないようにして。それでもきっと嫌な思いをしたことはたくさんあったでしょう。母親として本当に申し訳なかったと思っています。
── 大変な時期を過ごされたのですね。そんな状況のなかで、どのように気持ちを保ち、乗り越えてこられたのか気になります。支えになったものは何だったのでしょう?
カイヤさん:いろんな声があったけれど、私は自分を信じていたし、子どもも私を信じてくれていたんです。それだけで十分でした。たくさんの人に理解されなくても、本当に大事な人たちが信じてくれれば、それでいい。心ない言葉を投げかける人がいても、それはその人自身の問題。満たされていない感情をぶつけているだけだと考え、気にしないようにしました。逆境の中で、子どもたちとの絆が深まり「どんなことも一緒に乗り越えられる」と確信しました。そうして強くなっていったんです。人生に無駄なことはひとつもないと、あらためて感じています。
── お子さんたちとは、どのように向き合ってこられたのでしょうか?
カイヤさん:子ども達には「あなたはどうしたい?」「何が学びたい?」と問いかけながら向き合ってきました。ぶつかったときも、頭ごなしに意見を押しつけるのではなく、「どうすればいいと思う?」と考えさせ、落としどころを一緒に探してきました。子どもが道を間違えないように、真正面から向き合うことを大切にしてきたつもりです。
── 以前、メディアのインタビューで、元夫の再婚に際して、「心から幸せになってほしい」と穏やかに語っていらしたのが印象的でした。
カイヤさん:多くの経験と学びを与えてくれた人ですし、なにより大切な子どもたちを授けてくれました。そういう意味では、とても感謝をしています。
過去の苦しみを引きずれば、心が曇り、誰のことも信じられなくなってしまう。だからこそ「幸せになってください」と心から思えるんです。なぜなら私自身がハッピーでいたいから。乗り越えた先にしか見えない景色があることを、改めて実感しています。
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最近ではハクビシンの自宅荒らしにあったと報じられたカイヤさん。ソファが引き裂かれ、家具は倒され、被害総額4000万円にも及んだそう。しかし周囲の心配をよそに、本人はいたって前向き。それは、どんな状況でも「物事のいい面を見る」という幼少期から母に教えられてきた価値観のおかげなんだそうです。困難があっても「人生で今がいちばん楽しい」とポジティブなメッセージを残してくれました。
PROFILE カイヤさん
カイヤ。5月25日米国シカゴ生まれ。テレビ・映画・世界各国でモデル業のほか、カウンセラー・モチベーションコーチとしても活動中。
取材・文/西尾英子 写真提供/カイヤ