── 入院中は、同期の皆さんがお見舞いに来てくれたそうですね。
田崎さん:ありがたかったです。ただ、うちの相方は手術の「翌日」に来たんですよ。まだ手術を終えたばかりで全身痛いし、体のあちこちに管がついている状態。家族も来ていて、「無事に終わってよかったね」と、しみじみとしているところでした。そんななか、ベッド横のカーテンが突然「シャッ」と開いて、相方が「ラララライ」のタンクトップ姿で、「やあ!」と登場したんです。
── ええええ…。
田崎さん:ドン引きですよね(笑)。親は固まってるし、奥さんは相方をにらんでました(笑)。僕も何かリアクションせなと思ったんですが、酸素マスクをつけているからしゃべれない。その空気を感じて、相方はさすがにシュンとしていましたね。そしてなぜか家族が食べようとしていたパンを食べて、そそくさと帰っていきました。よほど動揺していたんでしょうね(笑)。あとから聞いたら「あんなにスベると思わなかった…」と。どうやらナースステーションではウケてたらしいです。
その後も、同期のみんなが次々とお見舞いに来てくれました。かまいたちのふたりは、おじいちゃんおばあちゃんが使うような杖を持参して。「こんなんいるか!」ってツッコんだんですが、結局そのあと、病院内で歩行練習をするときに役立ちました(笑)。腹筋が痛くて、歩くのもしんどかったので。
── かまいたちのおふたりも、まさか本当に使ってもらえるとは思っていなかったでしょうね(笑)。
田崎さん:アキナのふたりもお見舞いに来てくれて。山名さんは医者の白衣姿、秋山さんはピンクのミニスカナース服で「回診です〜」と言いながら部屋に入ってきて、先生と看護師のミニコントがスタート。看護師役の秋山さんがわざとペンを落として僕の前でしゃがんで拾うんですが、そのたびにお尻が丸見えに(笑)。痛いから笑いたくないのに…。
── 皆さん、ひとボケせずにはいられないんですかね(笑)。病室がもはや大喜利のノリに…。
田崎さん:芸人って「笑いで元気を届ける」という精神があるんですよね。おかげで気持ちが明るくなりました。
ただ、手術のあとは、体力の低下がかなりありましたね。人間って、寝ているだけでこんなに筋力が落ちるんだと痛感しました。「できるだけ動いたほうが回復が早いですからね」と看護師さんに言われていましたが、ベッドから起き上がるだけで痛い。奥さんにつき添ってもらいながら、「今日は病棟のここまで歩こう」「明日はこの角まで」と、毎日ちょっとずつ距離を伸ばしながら、そのうち病棟一周できるようになりました。