結婚から2年目にようやくハワイで…

── 闘病からの結婚生活という波乱のスタートでしたが、病気を乗り越えたことで、夫婦の絆は深まったのでは?
田崎さん:そうですね。入籍して「俺が奥さんを守っていくぞ!」と思っていたのに、いきなり助けてもらう側になってしまって、申し訳なかったです。奥さんは、最初のころこそショックを受けて落ち込んでいましたが、僕を心配させまいと元気に振る舞い、ずっと励まし続けてくれました。あとで聞いたら、本当はひとりで泣いていたこともあったそうで、無理をさせてしまったなと…。結婚式もハワイで挙げて、そのまま新婚旅行に行くはずが、入院が長引いて断念。ウェディングドレスもキャンセルせざるを得ませんでした。
でも、結婚2年目にようやくハワイに行けたとき、お詫びも兼ねて、奥さんの願いをすべて叶えたウェディングフォトを撮影しました。すごく上手だと評判のカメラマンにオファーして、ドレスやロケーション、演出など、奥さんの憧れをすべて実現。喜ぶ顔を見ることができて、僕もうれしかったです。結婚生活のスタートから奥さんに頼りっぱなしで…いまでも全然頭が上がりません(笑)。
── 病気を経験したことで、日々の過ごし方や体との向き合い方に変化はありましたか?
田崎さん:だいぶ変わったと思います。もともと仕事柄、生活が不規則で外食が多く、食事のバランスも偏りがちなのですが、奥さんが減塩の食事管理を続けてくれて、本当に助かっています。外食が続いたら家での食事に切り替えたり、お酒の量もずいぶん減らしました。食べるものや生活リズムに気をつけるようになったのはもちろんですが、何より自分の体にちゃんと目を向けるようになりましたね。今までは、多少無理しても平気だと思っていたけど、無理しすぎないことも、大事だと考えるようになりました。
4月に2人目の子どもが生まれたばかりなので、これからはよりいっそう健康には気をつけていきたいですね。
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現在44歳、2児の父親になった田崎さん。「ラララライ体操」以降、「藤崎マーケットといえばこれだ!」と胸を張って言えるものが見つかっていないのが悩みなんだとか。今年は「自分は何者なんだ」っていうのを、ちゃんと見つけていきたいと思っているそうです。
PROFILE 田崎佑一さん
たさき・ゆういち。1981年生まれ、兵庫県出身。吉本興業所属。2003年 NSC大阪校26期生。2005年に結成した藤崎マーケットのツッコミ担当。2012年に第10回MBS漫才アワード優勝、2014年に第3回ytv漫才新人賞優勝、2017年 歌ネタ王決定戦優勝などの経験を持つ実力派コンビ。
取材・文/西尾英子 写真提供/田崎佑一