子どもが通う学校は「公立でもいい」の深い訳

── 奥さんと子育て方針について話し合うことはありますか?

 

松陰寺さん:基本的に妻の方針に従っています。ただ、まだ小さいので具体的な話は出てなくて、決めることがいろいろ出てくるのはこれからでしょうね。僕は田舎者ですし、妻も田舎者だから、都会で子どもをどう育てるか、自分の経験を照らし合わせることができなくて、そこは試行錯誤です。

 

いわゆる芸能人の方って、子どもを私立に行かせる方が多いんですよね。私立のしっかりした教育方針のもとで子どもを育てたいという親心と、あと金銭的な余裕があるのでしょう。でも、僕はどっちかというと公立派。公立っていろいろな子がいるから、リアルな社会に近いような気がして。「こんなに空気読めない人もいるんだ」「こんな嫌なことする人もいる」って、大人になって思うことは多いけど、それを人生の早いうちから、身をもって知るのも悪くないんじゃないかなって思うんです。



ひとりの人間として、いろいろな人と接して、自分でいろいろ感じながら生きてほしい気持ちがあります。ただ、何かあったときに相談するのは、パパとママであってほしい。そのためにも子どもときちんとコミュニケーションはとりたいと思っていて。でも、まだ2歳なので、もうちょっと先の話ではあるんですけど。

 

── かわいくてしょうがないようですね。よきパパぶりが伝わってきます。

 

松陰寺さん:いやいや、それはもう娘が決めることだから。いつかそう思ってほしいなっていう気持ちはありますけど…。ただ彼氏ができたらと思うと複雑で。まだ整理がついてなくて、気持ちの持ち方が難しいですね(笑)。ひとつ言えるのは、絶対にシュウペイみたいな男はイヤ!それはもう即答できます(笑)。

 

── お子さんにとって、どんなパパでいたいですか?

 

松陰寺さん:とにかく娘にはモテたいですね。父親ってどこかで愛想つかされちゃうから、きっといつか嫌われるんだろうなという覚悟もあって。女の子って成長が早いから、そんなに遠い未来ではないかもしれない。でも、まだ僕の一方通行が通じるから、いまのうちに溺愛しておくつもり。娘の財布でいいんです。お財布の立場でもいいから頼られたいし、そのためにもしっかり働きたい。「パパに頼めばこれ買ってくれんじゃない?」ってママが言って、パパのところにおねだりに来るみたいな。それでもいいですね。パパとしては充分です(笑)。

 

 

子どもがかわいくてしかたないと話してくれた、お笑い芸人・ぺこぱの松陰寺さん。何でも買ってあげられるように、稼がないといけません。ポジティブ漫才を確立してもなお、新たな漫才を模索すべく、いまも、漫才と向き合っています。

 

PROFILE 松陰寺太勇さん

しょういんじ・たいゆう。1983年11月9日生まれ、山口県出身。お笑い芸人ぺこぱのネタ作り担当。ピン芸人として活動後、2008年にシュウペイとコンビ結成。「M-1グランプリ」2019で決勝に進出しブレイク。全肯定ツッコミで人気を博す。現在のレギュラー番組に『THE 突破ファイル』『ヒルナンデス!』など。

 

取材・文/小野寺悦子 写真提供/サンミュージックプロダクション