中学までは勉強についていけなかった

── なんこさん自身が発達障害のグレーゾーンであることを知ったのはいつですか。
なんこさん:高校生のとき母に聞きましたが、ショックはなくて。みんなになじめなかったり、大きな音が苦手だったり、今までのことを考えると「たしかに発達障害っぽい感じはあったな」と、すんなり受け入れられました。小さいころからさまざまな特性を持った子どもたちが集まる場所「福祉ひろば」に通ったり、小学校では「わくわく教室(LD通級指導教室)」という学習支援クラスに通ったり、母がいろいろ対策をしてくれていたのでありがたかったですね。
今は、周りにもなじめるようになったし、大きな音も、突然だとびっくりするんですけど、事前にわかっていれば大丈夫になりました。音楽のライブにも行けますし、普通に生活ができています。
── ご自身の特性を自覚したことで、心がけたことなどはありますか。
なんこさん:以前は、遠慮せずにストレートに思っていることを言ってしまってトラブルになったこともあったので、「なるべく人に優しくしよう」という意識でいるようにしました。
勉強も、中学まではついていけなかったんですけど、高校に入ったら最初の定期テストで学年7位になったんです。偏差値が高くない学校に入ったというのもあるんですけど、「自分もやればできるんや」と思って、それから上位をキープしようと思ってがんばりました。大学は指定校推薦で受験をして、特待生になれました。自分でもそんなふうになれるとは思わなかったです。
── それはすばらしいですね。高校はどのように選ばれたのですか。
なんこさん:中学生のとき、その高校のオープンキャンパスへ行ったら体験授業でラテアートをやらせてくれて、「楽しいな、この学校に行きたいな」と思って選びました。私が行った高校は、パティシエとか料理人、トリマーなどいろんな職業について学ぶコースがあるんです。
── 大学は、どうやって選ばれたのですか。
なんこさん:高校に、今通っている大学の先生がたまたま来られる機会があって、そのときに「日本史が好きなんです」という話をしたら勧めてくださったんです。日本史が好きになったのは、高校1年のとき、新撰組をモチーフにした『薄桜鬼』というゲーム原作のアニメにハマったのがきっかけです。日本刀を擬人化させた『刀剣乱舞』というゲームも好きで、日本史にもっと詳しくなりたいと思いました。大学では日本史を専攻しています。4月から2回生で、専門的な勉強はこれからなので楽しみです。