アスリートの恋愛は練習に身が入らないと、今でも批判的な考えが存在していたり、厳しいチームでは恋愛を禁止されているところもあります。空手で通算4度の世界王者に輝き、愛くるしい容姿も話題になった植草歩さんの現役時代の恋愛事情にも人知れぬ苦労が隠れていて。(全3回中の2回)
監督から「部内恋愛はありえないから」と
── 小学3年生から空手を始めて高校、大学時代も競技を続けていました。アスリートの恋愛事情は厳しいイメージがありますが、植草さんの学生時代はいかがでしたか?
植草さん:中学3年の終わりころから大学2年の始めまでずっと同じ人とつき合っていたんです。「彼みたいに強くなりたい」「私も日本一になりたい」と憧れるほど空手が強い人でしたね。

── 髪型など、容姿に関するルールが厳しかったそうですが、恋愛に関してもルールは設けられていたのでしょうか。
植草さん:高校も大学も恋愛自体はOKでしたが部内恋愛は禁止。でも私はずっと部内恋愛をしていました(笑)。バレていないと思っていたんですけど、大学時代、ある日のミーティングで監督が私の目を見ながら「部内恋愛はありえないから」とけん制してきたことがあって。監督の視線をそらしたら負けだと思って最後まで意地で視線を外さなかったんですが、ミーティング後にチームメイトからは「あれは絶対に植草のことを見てたね」「バレてるんじゃない?」と言われて。それでも私は「バレてない」「なにも言われてないから大丈夫」って。当時、私はエースだったこともあり、監督としては部の風紀を乱すなという意味であえてそんなふうにけん制してきたんだと思います。
── 部内恋愛はずっと続いていたのですか??
植草さん:4年生のときはキャプテンを務めていたので、自分自身にとっても大事な時期だと考えていて。大学4年のときは個人でも団体でも、出場するすべての大会で優勝したいという目標を掲げていたので、心が乱れる要素はすべて排除しようと自分でコントロールして、恋愛することをやめる決断をしました。実際、彼がいたとしても、練習や試合で忙しくて物理的に遊びに行く暇もなかったですね、当時は。