今もドーナツクッションは敷いています

益若つばさ
息子さんと焼肉屋で乾杯

── 仙骨のほかにも骨折されていたのですね?

 

益若さん:結構やってます…。左手首、肩甲骨、今回の仙骨、事故で歯をぐちゃぐちゃに折るとか。左手首は息子とアイススケートをしているときに、息子が転ばないようにと思って手を繋いでいたら、私がバランスを崩して転ぶっていう。肩甲骨は、高校生のときに自転車に乗っていたら、私の自転車の前輪と前からきた男の子の前輪がぶつかった衝撃で肩から豪快に落ちて折りました。歯は、10代のときに交通事故にあって…しばらく笑うのが苦手で、今でも治療やマッサージを続けていますね。

 

── お体をご自愛ください…。仙骨の骨折から帯状疱疹を発症し、9か月休業した後、2023年2月に映画『翔んで埼玉』の撮影で復帰されました。久しぶりの仕事はいかがでしたか?

 

益若さん:正直不安でした。痛みがまだ残っていたし、骨折した影響でしばらく頭がボーッとしていて、記憶が飛び飛びなこともあったんです。また、休んでいた9か月はすごくゆったりしていたので。その間に仕事の流れが変わってしまったんじゃないか、周りのスピードについていけるのか、セリフを覚えられるのかなど、いろいろ気になりました。でも、いざ撮影が始まるとスイッチが入るというか。痛みを感じることはありましたけど、病院の先生が「骨はもうくっついてるし大丈夫だよ」って言ってくれた言葉が励みになり、無事に撮影を終えることができました。

 

── 大病や大ケガをした人は人生観が変わる人もいます。益若さんはいかがでしたか?

 

益若さん:すごく変わりました!今までは「気力だけでなんとかなる」と仕事を詰め込み、限界まで働いてから休日に病院で点滴を打つようなことがあったんです。でも、今は休むときは休むし、しっかり睡眠もとるようにしています。今の働き方が、この先何十年か後の自分に返ってくるし、休むことでまた迷惑もかけてしまうので。これからは自分のことも大切に、ていねいに暮らしたいです。

 

ケガから約3年経ちますが、今は95%くらい回復している感じです。ただ、今でも座るときはドーナツクッションを敷きますし、長時間の移動で痛みが出るなど、まだまだ支障はあります。ただ、おおむね生活は普通にできているかな。たぶん走ることもできると思います。骨折、帯状疱疹となかなかハードな経験をすることになりましたが、予防も含めて心身を見直すきっかけにもなりました。また、こうやって誰かに伝えることもできるし、とてもいい経験になりました。

 

 

長期休業を経て見事に仕事復帰を果たした益若さんは、今年で40代に突入します。年齢を重ねることに不安を覚える人がいるなかで「早く40代になって、自分の価値を上げたいです」と明るく話してくれました。

 

PROFILE 益若つばささん

ますわか・つばさ。1985年埼玉県生まれ。『Popteen』の読者モデルとしてブレイク。現在はモデル業のほか、アパレルや美容関連商品のプロデュースも行う。1児の母。

 

取材・文/松永怜 写真提供/益若つばさ