難病「遠位型ミオパチー」を患う織田友理子さん(45)。生活のすべてを夫の洋一さんがサポートしていますが、「彼女の能力を最大限に発揮させるのが僕の使命」と話します。25年連れ添って、お互いの思いはいかなるものでしょうか。(全3回中の3回)

食事もメイクも子育てもフルサポートする夫の存在

── 進行性筋疾患「遠位型ミオパチー」(体幹から遠い部位である手足から全身の筋肉が低下していく進行性の筋疾患)の患者である織田さんですが、現在は首から下がご自分の意思では動かせないと伺いました。日常生活はどのように過ごされているのでしょうか?

 

織田友理子と夫

織田さん:生活のすべてを夫がサポートしてくれています。食事、着替え、メイク、顔にかかった髪の毛を払うことまで、すべてを行ってくれるんです。病気が進行し重度障害者となったいまは、夫以外にも多くのヘルパーさんや医療従事者の皆さんに支えていただいています。2006年、息子を授かりましたが、もちろん夫は子育ても同時にしてくれています。 

 

それに加え、これまで私は遠位型ミオパチー患者会の立ち上げに参画し、YouTube専用チャンネル「車椅子ウォーカー」の運営、「みんなでつくるバリアフリーマップアプリ『WheeLog!(ウィーログ)』」の開発など、さまざまなことに取り組んできました。こうした活動もすべて一緒に動いてくれて、彼がいないと回らないことばかりです。交際していた時期を含めると、夫とは25年間一緒にいますが、本当に感謝しています。

 

織田友理子と夫
2005年、夫・洋一さんと結婚式の様子

── 織田さんにとって洋一さんはどんな人でしょうか?

 

織田さん:とても大切な存在です。ただ、彼はあんまり自分の気持ちを話さない人だから、正直なところよくわからない部分が多くて…。どうして彼がこんなにサポートしてくれるのか、理解に苦しみます。もし、逆の立場だったとしたら、私はここまで献身的になれないと思うんです。だから悔しくもあって。これまで私に費やしてきた時間と労力をほかのことに費やしてきたら、もっと楽しい時間を過ごせているはずなのに、と思うと苦しさと申し訳なさがいつもあります。