「まっとうな人生を歩めなかった」強気な伯母がこぼした自責の念

細木かおり
YouTubeのライブ配信を行うかおりさん

── テレビ番組などで厳しい意見を言う数子さんのことを、かおりさんは、どのような思いで見ていましたか?

 

かおりさん:「家族でもない人に対して、どうしてそこまで言えるのだろう」と不思議に思っていました。だって普通は「相手に嫌われるくらいなら、厳しいことは言わないでおこう」と考えるじゃないですか。でも母は、自分が嫌われる可能性があることも承知のうえで、その人のためを思って発言していました。

 

── 数子さんの強い物言いには、批判的な意見も少なくなかったかと思います。その意見に数子さんはどのように向き合っていたのでしょうか。

 

かおりさん:「私のことをよく知らない人が言っているだけ」と突っぱねていましたが、ときには落ち込むこともありました。そんなときは、私が食事に誘って励ましていましたが、母に対しての厳しい意見を見聞きするたびに「本当のばあばは、優しい人なのに…」と歯痒く感じていました。

 

── 数子さんが他人に親身になれたのはなぜでしょうか。

 

かおりさん:母が子どもを産めなかったことが、影響していたと感じています。母が若かったころは「女性は結婚して子どもを産むのが当たり前」という時代。母は、「女性としてまっとうな人生を歩んでいない」と自分のことを卑下するように話していました。子どもを育てることができなかったからこそ、「ほかの誰かを成長に導いてあげること」に、使命を感じていたのではないでしょうか。

 

 

数子さんは「人の基盤は、生活や家庭の中にある」と考え、かおりさんに対しても「早く結婚しなさい」と中学生のころから「お見合い」を勧めてきたそう。数子さんの引き合わせにより、現在のパートナーと19歳で結婚したかおりさんは、現在の生活を振り返り「ばあばの言う通りにして正解だった」と感じているそうです。

 

PROFILE 細木かおりさん

ほそき・かおり。占い師。1978年12月11日生まれ。一男二女の母であり、三人の孫を持つ。母・細木数子のマネージャー兼アシスタントを経て、六星占術の継承者に。六星占術と人生経験を活かし、経営相談から恋愛相談まで幅広く人生に寄り添うアドバイスを提供している。対面にて直接相談者の話を聞く個人鑑定に加え、延べ1500万人が利用する占いサイトを監修。人生の基本となる「衣食住」の充実を目指す事業の立ち上げや、「子どもたちが笑顔になる社会の実現」を目指す「スマイルプロジェクト」を始動するなど多方面で活動中。雑誌連載も抱え、著書に『母・細木数子から受け継いだ幸福論 あなたが幸せになれない理由』など多数。

取材・文/佐藤有香 写真提供/細木かおり