正しい洗い方「絞ると型崩れの原因に」

── 毎週末、上履きを持ち帰って洗うご家庭が多いですが、正しい手入れの方法について教えてください。

 

横田さん:バケツなどに、靴用の洗剤か中性洗剤を入れた40度程度のぬるま湯に1時間ほどつけ置きをして汚れを浮かせてください。その後、柔らかいブラシで内側から外側に汚れを押し出すようにして洗います。中敷もしっかり洗ってください。洗剤の泡が出なくなるまで水ですすぎ、水けをきって陰干しします。この際、手でぎゅっと握って絞ってしまうと型崩れや上履きが痛む原因になりますので、しないほうが長持ちします。

 

上履きを洗うための準備品
細かな部分を洗うには歯ブラシが便利

── 子どもの上履きは小さいので、手で水けを絞ってしまっていました。

 

横田さん:中に不要なタオルなどを入れると、水がきれやすく、変形も防げるのでおすすめです。かかとを下にして、立てかけて乾かします。直射日光やドライヤーなどでの乾燥は、変色や変形の恐れがあるので避けてください。

 

── 大人用の「オトナノウワバキ」もあるそうですが、こちらが生まれた背景について教えてください。

 

横田さん:弊社のセールス担当とある町の靴店の方との会話から開発がスタートしました。弊社のセールス担当が、子どもの数は減っているにも関わらず、トータルの上履きの販売数はさほど変わっていないと伺って内容を詳しく聞いたそうです。すると、大人も履けるサイズの上履きがデイサービスや高齢者施設でスリッパ替わりに利用されていることがわかりました。また、入院患者に対してスリッパを禁止している病院が多く「上履きのような履物を用意してください」と言われ、「代理で身内の方が買いにいらっしゃるが、何を買っていいのかわからず結局、多くの方が上履きを購入していた」とのことでした。他店の方にも聞いてみるとすべて同じ状況だということがわかりました。

「オトナノウワバキ」
人気を集めている「オトナノウワバキ」

そこで、子ども用の上履きの軽さや脱ぎ履きのしやすさは生かしつつ、大人の体重に対応するクッション性や大人が履きやすいデザインやカラー、通気性もプラスした「オトナノウワバキ」を2013年に発売を開始し、累計160万足以上の販売実績があります。

 

── 国産メーカーとして、皆様にお伝えしたいことについて教えてください。

 

横田さん:弊社としては時代によって変わるニーズを反映させながらも、これまでと変わらず品質に自信をもって皆様に必要とされている製品をお届けしたいと考えております。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/(株)ムーンスター