相手は軽くイジったつもりでも

ひょっこりはん
高校のときはソフトテニスでインターハイに出場したことも

── NSCに入学していかがでしたか?

 

ひょっこりはんさん:僕は4年間お笑いサークルに入っていたので、ほかの人より多少なりとも実力があるだろうと思っていたら、「全然だな」ってすぐに気づかされました。それでも、NSCのクラスではA、B、Cと上から成績順にクラスわけされるんですけど、僕はAクラスに入っていたし、Aクラスって芸人として売れる予備軍な感じがするじゃないですか。NSCは途中で退学する人も多いんですけど、僕は一度も辞めようと思ったことはなかったし、どうにかなるんじゃないかなって思っていた気がします。

 

── NSCを卒業すると、共通の知人を通して知り合った方とコンビを組み「ダイキリ」を結成。しかし約3年で解散することになります。

 

ひょっこりはんさん:つらかったですね。相手が求めていることに答えられなかったり、僕の認めてもらいたい部分があんまりいいと思ってもらえなかったり。このままコンビとして活動を続けるのは厳しいと思って解散することになりました。コンビで活動しているときは、舞台でネタを飛ばすとか、何か大失敗するような夢をしょっちゅう見ていたんです。でも、解散した翌日からまったく見なくなって。たぶん、抱えていたプレッシャーから解放されたのかもしれないし、今まで無意識に自分の気持ちを抑えていたんだと思います。

 

── コンビ間の関係性もあるかと思いますが、もともと自分の気持ちを抑えるとか、言いたいことを我慢してしまう方ですか?

 

ひょっこりはんさん:抑える方でしたね。今でもそうした部分はありますけど。小・中学生のころはクラスでも明るくて活発な方だったんです。でも高校生になると、暗くはなかったけど、イジられキャラみたいな立ち位置になってしまい。相手は軽くイジったつもりでも結構、くらってしまうことがあったんです。自分が何か言うとスベった空気になって、いたたまれない気持ちになってしまうとか。それ以来、自分が言いたいことを自然と抑えるように。自分に自信がなくなり、人の目を見て話せない時期がありました。

 

── そうした背景がありつつ、芸人として人を笑わせる仕事はまた別だと?

 

ひょっこりはんさん:気心の知れた仲間といるときは楽しいし、安心できるコミュニティに入れば伸び伸びできたんです。人って一面じゃないから、引っ込み思案で優柔不断な面もあれば、人を笑わすのも好きな一面もあって、気弱なんだけど、やっぱりお笑いは興味を持てたんでしょうね。