「じゃない方芸人」からの巻き返し
── 「ダイキリ」解散後、ピン芸人として新たにスタートをきりますが、「ひょっこりはん」として活躍するまでいろいろ行動されたとか。
ひょっこりはんさん:ピンで活動するからには、自分の強みを知っていこうと。今まで「じゃない方芸人」みたいな感じだったけど、自分をもっと出していこうと思ったんですよね。周りの人たちに「僕のいいところや、おもしろいところってどんなところ?」って聞いていくと「話しやすい」「すごく楽しそうに笑ってくれる」「場の空気がよくなるし、ポンコツでちょっとおもしろい」って言ってくれる人がいて、なるほどなぁと。でもいちばん多かったのは顔でした。「顔がおもしろい」「顔の表情がいい」と言われて「結局、顔かい!」って思ったけど、それならそれで、顔を生かしたキャラクターもいいなぁと。さらに、自分は少し抜けてて、ガツガツしてなくて控え目で…みたいなことを考えていたら、なんとなく「ひょっこり」という言葉が頭に浮かんできたんです。
そうかぁ、ひょっこりかぁ、と思いながら、自分のどこかに取り入れたいと思って芸名を「ひょっこりはん」にしました。ひょっこりはんの「はん」は同期からアドバイスをもらいました。ゴロもいいなって。「ひょっこりはん」の名前で活動して、それでもダメなら諦めよう。自分の今までの人生が詰まった言葉を芸名にして、新たに勝負していこう思った瞬間でした。
…
その後「ぐるナイ おもしろ荘2018」で念願のブレイクを果たしたひょっこりはんさん。実は当時はキャラがまだ定まっておらず、テレビに出るのは早いと感じていたそうです。
PROFILE ひょっこりはんさん
1987年生まれ。滋賀県出身。早稲田大学卒業後、NSC東京校に入学。2013年から16年まで漫才コンビ「ダイキリ」(のちにトロフィーズに改名)として活動。18年元旦放送の「ぐるナイ おもしろ荘」出演をきっかけにブレイク。
取材・文/松永怜 写真提供/ひょっこりはん