高校時代にイジられキャラにされて以来、お笑いは好きでも自分に自信が持てなかったというひょっこりはん。2浪で早稲田に進学し、バラエティ番組を作るテレビ局員を目指していましたが── 。(全3回中の1回)
「芸人とか言わんといてや」

── 高校卒業後、2浪を経て早稲田大学に進学するとお笑いサークルに入ったそうですね。当時から芸人の仕事を目指していたのでしょうか?
ひょっこりはんさん:いえいえ。なにかおもしろそうな仕事はしたいなと思っていましたが、芸人というよりテレビ局に就職して、バラエティ番組とか制作側の仕事をしたいなと思っていたんです。たまたま友達がお笑いサークルに誘ってくれましたが、将来テレビ局で働くにはこうした経験をしておくのもいいかな、くらいの軽い気持ちで入りました。
サークルに入ってもはじめは全然ネタが書けなかったし、決められた時間内でボケとツッコミを入れて笑いをとるってなんて難しいんだろう…!って思いましたが、慣れてくるとだんだん楽しくなっていきましたね。
── 大学卒業後は、NSC(吉本芸能学院)に入ったそうですが、テレビ局の採用試験も受けたのでしょうか?
ひょっこりはんさん:もちろん受けましたが、1社も受からなかったんですよ。テレビ局以外にも視野を広げて就活して、全然関係ない家具屋さんとかメーカーとか受けたんですけど、どこも受からなくて。気づいたら大学4年生の4月になっていました。でも、ちょっと考えたんですよ。ここまでどこにも受からないっていうことは、僕が進む道は会社員じゃないのかもしれない。お笑いサークルは軽い気持ちで入ったけど、意外と熱心に活動したし、もしかしたら芸人になって勝負しろってことなのか…?と。
でも、僕は2浪もさせてもらって、地元・滋賀県から東京の大学に入れてもらってるし、入学した後「お笑いサークルに入った」と親に話したときに、「せっかく早稲田に入ったんだから、サークルはいいけど、将来芸人になるとか言わんといてや」みたいなことも半分冗談で言われていたんです。実際、就職が決まらないから芸人を目指した、みたいなのもあったんですけど。親には「大学を卒業したらお笑いもいいかなって思ってる」とふんわり伝えると、はじめは反対されましたが、最終的には理解を示してくれました。