「何にもなんない」と思っていた歌でメジャーデビュー果たし

── そこから歌のイメージが定着して、2022年には本名の星野一成(かずなり)名義でメジャーデビューも果たしました。

 

ほしのさん:いや、もうずっとドッキリだと思っていたくらい信じられなくて。しかも、ゆずさんなどのプロデュースをしている寺岡呼人さんに作ってもらえると聞いて、さらに驚いて。ずっとドッキリの可能性を疑いながらレコーディングを終えて、最後に音質などを調整するマスタリングという作業があるんですけど、そこまでいって「ドッキリでここまでしないよな」とようやく本当だという実感が湧いて、うれしかったですね。歌手も芸人も夢だったので、どちらも叶った達成感がありました。

 

「いとしの悪魔ちゃん」
ほしのさんがメジャーデビューを果たした楽曲『いとしの悪魔ちゃん』

── お話を伺っていると、先天性の病を抱えて生まれ、心ない人の言動に傷つき、吉本では同期が次々ブレイクして。現在はあいなぷぅさんとの不仲もあったり、大変な思いをされてきたと思います。「歌」という夢が叶えられたことは、ほしのさんにとって大きかったのではないでしょうか。

 

ほしのさん:挫折しても、いつも救ってくれるものが現れるので、きっと運がいいんだろうなと思います。意外と僕の人生も、なんとかなりました(笑)。コンビの活動が厳しい状況のなかで「歌」が武器になると気づくことができて、どうにか自分を保てたというか。お笑いもまたちゃんとやりたいなとは思っていますけどね。

 

── 最後に、コンビと個人のそれぞれの目標を教えてください。 

 

ほしのさん:個人では、歌でどこまでやれるのかを突き詰めてみたいので、紅白歌合戦に出られるまで頑張りたいと思っています。コンビに関しては、ただただお互い健康でいるという目標しかないです(笑)。

 

── 賞レースとかどの番組に出るでもなく?

 

ほしのさん:はい、そうですね。いちおう、10年つき添ってもらったので、お互いがそれぞれ幸せで健康に過ごせたらいいなと思います(笑)。

 

 

生まれたときから先天性の病を抱え、さまざまな苦労をしてきたほしのさんですが、「挫折しても、いつも救ってくれるものが現れるので、きっと運がいいんだろうな」と笑います。この心のもちようが、人生を好転させたのかもしれません。

 

PROFILE ほしのディスコさん

ほしの・でぃすこ。1989年10月23日生まれ。群馬県利根郡白沢村(現・沼田市)出身。2014年にお笑いコンビ「パーパー」を結成。2017年にキングオブコントで、2020年には『R-1ぐらんぷり』で決勝に進出。2022年には歌手としてメジャーデビューを果たす。

 

取材・文/髙木章圭 写真提供/ほしのディスコ