Kiroroの玉城千春さんは、3児の母として毎日子どもたちと向き合っています。息子さんの思春期への意外な対応など、思わずほっこりする子育てエピソードについて伺いました。(全4回中の4回)
失敗しても、間違っても恥ずかしくない
── 3人のお子さんがいらっしゃるそうですね。子育てて大事にしていることは何ですか。
玉城さん:長男が19歳、長女が17歳、次女が15歳になりました。でも母親としての私は本当にダメダメで。今はもう、そんなダメな姿も見てもらおうと開き直っています。

私は自分がやりたいことを子どもたちに見てもらうようにしているのですが、ピアノの演奏をしても下手で間違えるんですけど、「好きなことをやり続けるから、見ててね」という姿勢で、自分がまずその姿を見せるのが大事なのかなと思っています。それに、あまり子どもに教えられることがないので、一緒に学ぼうとしていますね。
── 子どもと一緒に、素敵ですね。
玉城さん:子どもたちに「好きなことを見つけて」というのではなく、まずは一緒にやってみるようにしています。「成功するかわからないけど、ちょっとお母さんもやってみる!」って。自分の心が動くことやワクワクすることを、子どもと一緒にやってみて、失敗しても間違っても恥ずかしくないということが伝わったらいいなと思います。それに親子で一緒なら何をするにも楽しいですよね。子育ての時間は限られているので、とことん一緒に過ごすというのもモットーにしています。
── 今はアーティスト活動を続けながらお子さんと過ごす時間を優先されているそうですね。
玉城さん:子どもたちが小さいころは体力的にも精神的にも、疲れていてすごくきつかったです。仕事もありますし、女性は産後にホルモンバランスも崩れます。周りは楽しそうに子育てをしているように見えるのに、「なんで私は怒ってばっかりなんだろう」と落ち込んで。でも振り返ってみると、あのころがどんなに素敵で、かけがえのない宝物の時間だったんだろうって思うんです。子どもがだんだん成長していくのをみていたら急に焦ってしまって。息子が中学生になるときにようやく「ちょっとギリギリだけど、今から頑張らなきゃ!」と思い始めて、そこからなるべく一緒の時間を楽しく過ごそうと思って今に至ります。
── 小さいお子さんの子育て中は余裕がなくなってしまいますよね。
玉城さん:そうなんです。初めてのことばかりで必死になりすぎちゃうんですよね。でもその宝物の時間って、あっという間なんですよ。うちは子どもとしょっちゅうケンカもしますし、私が怒られることも多々ありますけど(笑)、一緒にいる時間はそんなに長くないというのを、長男が留学中の今、より強く感じています。