子供にとっての「当たり前」をなるべく崩さないように

20歳を越えた長男(左)と次男(右)

── お子さんの環境をできるだけ変えないように工夫されていたのですね。

 

小日向さん:毎日顔を合わせて、食べ慣れたものを食べ続けることができるようにしてあげたい、子どもにとっての「当たり前」をなるべく崩さないようにするのが私の役目だと思っています。部活動の送迎をしたり、週末に試合の応援に行ったりなど、できるだけ同じような環境で過ごせるように心がけてきたつもりです。離婚をして変わってしまうこともあるけど、今までと同じように親からの愛情は変わらないし、親子の関係性も変わらないから大丈夫だよ、ということが伝わるように、その都度考えて、その都度できることをやってきました。

 

長男は20歳になりました。最近はLINEを送っても3日ぐらい既読にならなかったりしますけど(笑)。うちに来るときには将来のことや仕事の話、兄として弟のことを気に掛けるような姿も見せてくれます。

 

── いい関係を築いていらっしゃいますね。「MomSon(マムサン)」コーデは、親子の絆でもあるのですね。

 

小日向さん:愛情はかけるけれど、子育てに手間はかけすぎなくていいというのが私の考えです。子どもと洋服をシェアして着回すのもそうですし、お弁当だって、冷凍食品を使ったり、前の日のおかずをサッと詰めるだけだったりします。

 

もちろんインスタ映えするようなお弁当やていねいな暮らしは素敵だなと憧れるのですが、私自身「これができないとダメなお母さんなのかな…」と他人と比べて考えてしまった経験があるんです。なので、もしかしたら、私と同じように思うママがいるかもしれないなと思って「こんな私でもなんとかなってるから大丈夫!」と、「無理をしない」「頑張らない」子育てを発信しています。少しでも誰かの救いになっていたらいいなという思いで続けています。

 

PROFILE 小日向しえさん

こひなた・しえ。1979年生まれ、東京都出身。15歳でファッション誌『装苑』の表紙にてモデルデビュー。女優・歌手として映画、ドラマ、バラエティなど多くの番組に出演。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/小日向しえ