SNSでお子さんとの親子コーデを公開していた小日向しえさん。一緒に映るのは20歳を迎えた長男です。「ファッションを通して、コミュニケーションが円滑になった」と当時を振り返ります。(全4回中の3回)

年頃の息子とのコミュニケーションの一つとして

息子たちに作ったお弁当

── インスタグラムでは、息子さんとの親子コーデでポーズを決めている仲睦まじい姿も。おふたりのさりげない着こなしがとても素敵ですね。

 

小日向さん:ありがとうございます。あれは、今20歳になった長男が17、18歳のときに撮った写真ですね。わが家では、子どもと洋服をシェアして着回すこともあるんです。「息子と私がそれぞれ同じアイテムを着こなすと、こんな風になりますよ」という提案として、「MomSon(マムサン)コーデ」と名づけて発信していました。子どもと洋服をシェアすることで、余計な買い物を減らせるし、日常のなかでファッションを通してコミュニケーションが円滑になったりと、いいことづくめです。

 

── ママと息子で、「MomSon(マムサン)」コーデなのですね。始めたきっかけはなんだったのでしょうか?

 

小日向さん:子どもたちが小学校の高学年くらいから、私のTシャツのお下がりをあげるようになったのですが、息子がだんだん大きくなってくると、逆にお下がりをもらうことが増えてきて。服を自然と共有するようになりました。思春期の男の子って、反抗期とまではいかなくても、お母さんをうっとおしがる年代じゃないですか。日常会話も減ったり、話しかけてもそっけなかったり。

 

子どもの関心事を会話のとっかかりにできればいいのですが、男の子の場合、異性だから共通の趣味を見つけるのがなかなか難しい。でも、私の場合、もともとストリート系ファッションが好きで、昔からメンズの洋服をきていたので、「私もファッションなら子どもと一緒に楽しめるかも」と思ったんです。お互いの着こなしにアドバイスをしたり、「じゃあ一緒に買いに行こうか?」と出かけるきっかけにもなったり、距離がグッと縮まります。年頃のお子さんと向き合うひとつのきっかけとしても、ファッションってすごくいいのでは?と思っているんです。

 

── サイズアップしすぎないよう、体型を維持する意識も芽生えそうです(笑)。

 

小日向さん:ただ、基本的にメンズのLをシェアして着ているので、逆に体型が気にならなくなって。「まだいけるかも…」と、食べすぎちゃうんですけどね(笑)。

 

── 逆でしたか(笑)。でも、思春期のお子さんとのコミュニケーションにもひと役買っていたのですね。

 

小日向さん:思春期の息子とも、服を共有することがコミュニケーションをとるキッカケにもなっていたし、若い世代の流行や新しいブランドを知ることもできました。ときどき、「あの服、どこいったっけ?」なんて小競り合いも生まれたりはしましたが。(笑)

 

── そんなこともあったんですね。(笑)

 

小日向さん:2人の子どもたちは同じ学校なのですが、小、中、高とずっとお弁当なんです。なので、長男が高校を卒業するまでは、毎朝お弁当を作って最寄り駅まで持っていき、「行ってらっしゃい!」と見送っていました。夕方になったら空いたお弁当箱を取りにいって、長男の顔を見ておしゃべりをしてから帰るというのが1日のルーティンでしたね。

 

夫婦の関係は解消しても、お互いに子どものことをいちばんに考え、お互いにやれることをやっていく、という感じです。