ひとりで目立つよりグループの一員が心地よかった

── グループで活動されていて、「私が!私が!」とアピールをすることは?

 

藤森さん:それはあまりなかったですね。私自身、「ピンでアイドルをやります」というタイプではなかったので。私が芸能界を目指したのは小学校高学年のときのこと。ピンク・レディーを見て、私もあんな風に歌って踊れるようになりたいと憧れたのがきっかけでした。実際に私がこの世界に入ったのはバブルのころで、オーディションに行くとギラギラしたお姉さんたちがたくさんいて、「我こそは!」とさかんに自己アピールをしている。私はあまり肩肘張れるタイプではなくて、自分をアピールするのはなかなか難しいものがありました。だから、グループというのは私にとってちょうどよかったんだと思います。

 

初代C.C.ガールズのメンバー
初代C.C.ガールズとして一世を風靡

4人グループで活動するようになってからは、メンバーのひとりとしてバランスを大切にしようと考えるようになりました。もし4人のなかで「私が、私が」と前に出るメンバーがいたら、グループのバランスが崩れてしまう。そういうことは絶対にしたくなかったし、しないようにしていました。

 

── 大人の考え方ですね!

 

藤森さん:自分の中で、歌って踊れる部分を突き詰めていきたい、表現していきたいという気持ちはありました。ただ、表現する仕事ってドラマだったり、コンサートだったり、舞台だったり、結局、みんなで何かを作る作業じゃないですか。表に立つ人間だけではなく、制作の方から販売の方までみんなの合作であり、共同作業でできあがる。自分はその中のパーツのひとつだから、どんな色にもどんな形にもなれるよう、自分自身をそのときどきによって変化させていく。「センターで輝きたい」というよりも、「グループの中のパーツとして自分が輝けたら」という気持ちがあって、そのために頑張っていましたね。

 

PROFILE 藤森夕子さん

ふじもり・ゆうこ。1968年12月12日生まれ、東京都出身。1990年、「日本美人大賞」C.C.ガールズ準グランプリを受賞し芸能界入り。1991年、C.C.ガールズとしてデビュー、絶大な人気を博す。96年にC.C.ガールズを卒業し、女優・タレントとして活躍。

 

取材・文/小野寺悦子 写真提供/オスカープロモーション