アイドルグループは、それぞれの人気・不人気が目立ったり、メディアで格差を伝えられたりすることもあります。1990年代、初代C.C.ガールズの一員として人気を博した藤森夕子さん。アイドルグループのあり方や多忙だった当時について聞きました。(全4回中の2回)
全力で挑んだC.C.ガールズ時代「寝てる感覚さえなかった」
── 1990年にC.C.ガールズを結成。明るくセクシーな魅力で一世を風靡しました。C.C.ガールズ時代、ご自身の人気をどう受け止めていましたか?
藤森さん:渦中にいると、あまり実感がないんですよね。いま振り返ると、「本当に自分がやっていたのかな」っていう感じがするし、すごいことをしていたんだなって改めて思います。まず、テレビのひな壇でチラッと映るかどうかというところから始まって、徐々にゲストで呼ばれるようになっていきました。グラビアにもいっぱい出していただくことができました。期待に応えられるよう、毎回一つひとつの現場ですべて出しきって、出しきっての繰り返しで頑張ってきた。メンバーみんなでお互いを助け合いながら、お互いが引っ張り上げていくようなエネルギーのなかにいた気がします。
── そうとうお忙しかったのでは?
藤森さん:そうですね。あのころはいまより世の中もまだ元気で、無茶する時代だったじゃないですか。テレビの番組内容だったり、労働時間にしてもそう。次の休みは2か月後、ということもありました。とにかく寝る時間がなくて、撮影の合間にホテルの部屋をとってもらって、そこで1時間だけ寝ることも。日々、睡眠というより仮眠をとっていた感じでしたね。だから、ちょっとしたスキマ時間があると、みんなどこでもすぐ寝ちゃうんです(笑)。
コンサートがメンバー皆のモチベーションに
── 多忙な日々のなか、モチベーションにしていたものは?
藤森さん:「コンサートをやって、お客様に元気になってもらいたい」というのがメンバーの共通した想いとしてありました。あのステージに立てるよう頑張ろうねという目標があって、そのためにいろいろな仕事もしたし、一緒に乗り越えていった。夢が、ひとつずつ叶っていきました。
コンサートに来るお客様も、みなさんそれぞれ違う気持ちを抱えて足を運んでいると思うんですよね。「すごく嫌なことが会社であった」とか、「恋人と上手くいっていない」とか、もちろん「すごくいいことがあった」という人もいるでしょう。そのすべての方に喜んでもらいたかったし、思い切り楽しんでもらいたかった。みなさんがリフレッシュして、帰るときには「また明日から頑張れそう」って思えるようなステージを作りたいと考えていました。その想いがグループとして大きなモチベーションになっていたと思います。