インスタグラムで「障害児の親に捧げる創作漫画」を描かれている千尋あささん(@chihiro_asa_)。知的障害を伴う自閉症のお子さんを育てているママですが、自身の経験を交えながら描かれた漫画『障害児のママは神様に選ばれたと言われて』が「とても考えさせられる」「涙涙で読みました」と反響を呼びました。

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『障害児のママは神様に選ばれたと言われて』第2話

自閉スペクトラム症・中度知的障害を持つ4歳の娘と発達支援センターを訪れたあやこさん。相談支援専門員である茂木さんとの面談のなかで、過去のつらい記憶が蘇ってきます。

これまでどこへ行ってもまわりの反応が気になるばかり。バスのなかでも、お店へ行っても、「子どもをなだめられない親」として自分が責められているようで、子どもの反応なんて見る余裕がありませんでした。

 

しかし訪れた発達支援センターで言われたのは、「何に不安を感じてるのか、どうしたら過ごしやすくなるのか、よく知りたいんです」という言葉。

 

以前通っていた幼稚園でもやんわりと退園をうながされていたこともあり、行き場がなくなっていた心を受け止めてもらったような気持ちになったあやこさん。子どもの障害を受け入れるには、きっと環境も大切ですよね。

 

孤独感に不安感、それに劣等感。きっとこれまではいろいろな感情が自身を攻撃してしまっていたことでしょう。そんな自分を無理に前向きにさせようとせず、受け止めてあげることも大切なことなのかもしれません。

 

 

「『親なんだからしっかりしろ』って正論ではあるけど、ときとして人を追い詰めることがあります。ネガティブな気持ちも自然なんだと誰かに受け止めてもらえたなら前に進めることってあると思います」(千尋さん)

 

※この作品は、実体験を踏まえて描かれた創作漫画です。タイトルの『障害児のママは神様に選ばれたと言われて』は、千尋あささんが子育てを通してよく耳にしてきた言葉です。よかれと思って投げかけられた言葉で言い表せない気持ちになってしまった当事者の葛藤が作品の主題であり、決してこの言葉の是非を問う作品ではありません。

 

作/千尋あさ 文/可児純奈