「自分はどこにいくんだろう?」って思うけど
── 新たに環境を変えて。
誠子さん:ある程度、予測がつく現場も増えて、それは経験としてはプラスなんですけど、さらに新しいものを生み出したい。新しいエンタメを作りたい思いが常にあったので、場所を変えて、思いきったことをしないと新しいものには出会えないって漠然と思っていたんです。新しいチャンスに出合うタイミングなんじゃないかって。
── フリーになる前に、これがしたいというものは具体的にイメージしていましたか?
誠子さん:フリーになってから考えた部分が大きいです。何ができるか、何がやりたいかというよりも、まずフリーをやりたい。自分が15年もいた吉本で、ある程度、給料がもらえていた環境から飛び出してフリーになるって「オモロ!」って思ったし。もちろん、仕事がなくなったらどうしようって不安はありますよ。100%不安だけど、そこには新しい笑いがあると思うし、逆境があるから頑張る。環境が行動を起こすし、そもそも決めちゃったことなので、仕事がないなら頑張るしかない。そんな思いで退所しました。
PROFILE 誠子 さん
せいこ。1988年生まれ。兵庫県出身。NSC大阪校にて同期の渚と2007年「尼神インター」を結成。24年3月末にコンビを解散し、吉本興業も退所した。フリーの芸人としてライフスタイルブランド「merci(メルシー)」も設立し活躍中。
取材・文/松永怜 写真提供/誠子