中学1年生で「完治」。漢方との出会いが改善のきっかけに

8歳のころの浜口順子さん
8歳。顔色もすぐれず、体調もイマイチだった時期

── 小学校中学年のころには症状が緩和したそうですが、何がきっかけで改善に繋がったのでしょうか。

 

浜口さん:小学1年生のころに、漢方を使った東洋医学の存在を知り、西洋医学と東洋医学の両方を取り入れている大学病院を受診したことが、改善への第一歩となりました。セカンドオピニオンで受診し、その後、漢方を服用するように。すると明らかに体調に変化が見られたんです。

 

それまでは痛み止めの副作用で食欲がまったくありませんでしたが、漢方を服用するようになってからは、「食べたい」という気持ちに。学校の給食もおいしく感じられるようになり、顔色もずいぶんよくなりました。

 

その後、担当医にも漢方を始めたことを伝えたところ、血液の数値もよくなっているということで、漢方をメインにした処方にシフトしてもらうことに。ただ、漢方薬を煎じて飲んでいたため、味や香りが独特でとても飲みにくく、毎回、牛乳と一緒にごまかしながら飲んでいました。「治る可能性があるならば」と、必死でした。

 

── 中学1年生のときに完治されたそうですね。当時の気持ちを教えてください。

 

浜口さん:ホッとしました。薬のためか、小学4年生くらいまでおねしょが続いていたので、「おねしょを気にせずに眠れる」ということと、あのつらい高熱と関節の痛みから解放されるということに、大きな安心感を感じました。自分に合う治療法に出合えて、本当によかったと感じています。

 

── 今回、闘病中の記憶を振り返っていただきましたが、改めて、今感じていることを教えてください。

 

浜口さん:約10年間の闘病生活に寄り添い続けてくれた母に感謝の気持ちでいっぱいです。今、私自身が親になって、改めて母の大変さを感じることができています。また、「若年性特発性関節炎」は症例が少ないため、当時の私のように「将来像を描くことが難しい」と感じている人も少なくないはず。清水宏子さんの本に出会ったことで、私が希望を持てたように、今後は私の体験を発信することで、闘病中の方の力になれたらと考えています。

 

PROFILE 浜口順子さん

はまぐち・じゅんこ。タレント。1985年大阪府生まれ。3歳に難病「若年性特発性関節炎」を発症し、約10年間の闘病生活を送る。16歳のときに、ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞し、芸能界入り。2016年に結婚し、不妊治療を経て、2023年に第一子を出産。2022年に三重県に移住。現在は、ラジオパーソナリティーやニュース情報番組のMCなど、幅広く活躍中。

取材・文/佐藤有香 写真提供/浜口順子