アパレルの4週間サイクルを商品に応用

── 毎週、新商品が出るそうですが、新しい商品はどのように生まれるのでしょうか。

 

小林さん:各カテゴリーに企画担当者が1、2人いまして、商品開発は「あったら便利」「こういうものが欲しい」という担当者の思いから始まります。アジア圏への海外出張などで見つけた商品を参考にすることもあり、色や使用感などを日本のお客さまが使いやすいようブラッシュアップしています。

 

企画担当者の趣味が色濃く反映されている商品もあります。今年の人気商品となった推し活グッズは、実際にアイドルの推し活をしている担当者が作っていますので「これ、なんで知ってるの!?」と言った反響をいただくような、リアルに欲しいものが商品化されているとのことで評判もいいです。スタッフの個性を活かした柔軟な環境づくりも会社として心がけています。

 

3COINSのキッズアイテム
需要が高いキッズアイテムもナチュラルテイストに

── 申し上げにくいのですが、お店に入ると以前よりも300円以上の商品が多くなった印象を受けます。

 

小林さん:商品の300円均一というのは2015年ころからなくなっています。現在、300円商品は全体の6割ほどです。やはり300円で販売できる商品は限られてきますので、値段で妥協するのではなく、500円、1000円になってしまうけれども、それ以上の付加価値をつけて、「スリコでしか買えない」という商品で満足していただけるアイテムを作っています。

 

── 人気商品はすぐ売り切れてしまうそうですね。

 

小林さん:毎週発売される新商品の販売期間は2週間から1か月です。特に売れたものは再生産をかけていき、数か月後に再入荷という形で入ってきます。さらに人気であれば定番商品となります。常にお店を新鮮な状態で保つことを大切にしていますので、季節商材に関しても基本的に1か月で売り切れる数を生産しています。母体であるパルの4週間MDによる在庫管理を徹底しています。

 

── 今年でブランド誕生から30周年だそうですね。改めて今後どのようにブランドを展開していきたいですか。

 

小林さん:3COINSのブランドコンセプトである「あなたの“ちょっと幸せ”をお手伝いする雑貨店」を常に念頭に置いて商品作りや店頭での接客をしております。プチプラ雑貨が世間にたくさんあるなかで、「スリコでいい」ではなく、「スリコがいい」と思ってもらえるブランドにしようというのを心がけており、お客様の生活に寄り添うようなブランドであり続けるための努力を重ねていきたいです。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/(株)パル