ひとり娘は成人し、心残りだったバンドの再結成も果たした濱田マリさん。年末には56歳の誕生日を迎え、いよいよ人生が仕上がってきた今、すでに「終活」を意識しているそうです。(全4回中の4回)
病院大好き!早く不調に気づきたいんです
── 年末に誕生日を迎えると56歳になられるそうですが、非常に若々しいですよね。
濱田さん:なにごとも健康第一ですよね。心身ともに健康でありたいって願っています。まだ仕事もしたいですし、健康なほうがよりハッピーを感じられるので。食べること、動くこと、不調があればきちんと病院に行くよう気をつけています。
友達と話していても感じるのですが、病院が嫌いな人って多いですよね。怖いとか、時間がないという理由で行かない人が多い。私は病院好きなんですよ。それぞれ不調の箇所によってかかりつけ医を変えています。体の状態をきちんと把握して、なるべく早く不調に気づくようにしています。
── 体のメンテナンスもしていますか?
濱田さん:めっちゃしていますね。カイロプラクティックや鍼治療も大好き。私、洋服や持ち物ってあまり贅沢はしないので。今日、着ている服もZARAとユニクロです。
── そうなんですか!とてもそうは見えません。さすがのファッションセンスですね。
濱田さん:服にはお金をかけないけれど、体のメンテナンスにはお金をかけていますよ。年末で56歳になりますし、もう少しで還暦も見えてきているので。子育てはほぼ終わって、仕事も迷惑をかけずにやってこられました。こうやって振り返ると、いよいよ私の人生も仕上がってきたなって実感しています。だからこれまでの感謝を忘れずに生きていけたらと思っています。
「実は満身創痍(苦笑)」気分爽快で目覚める日は年に数日
── ボルダリングは今も続けていらっしゃるのですよね。
濱田さん:ボルダリングは続けていますが、筋トレはしなくなりました。筋トレをしないのは、関節が痛くなったから。「うわーこんな日が来るんだな」って最初は落ち込みました。クライミングのせいなのか、年齢のせいなのかはわからないのですが、どちらにせよ関節が痛む。気分爽快って言いながら目が覚める日なんて、年に数日あるかどうかくらい。いつも満身創痍です(笑)。
── ほかにも年齢を経て変わった部分はありますか?
濱田さん:最近は「終活」について考えたりもします。人生の終え方って、自分では決められないところがあるじゃないですか。だから自分がいなくなった後、周りの人に迷惑をかけないようにしたくて。相続の準備だけではなくて、ものの処分も必要ですよね。私が大事だと思っているものも、人から見たらガラクタじゃないですか(笑)。そういうものをきれいに片づけてから、人生を終えたいなって。
── 前向きな終活を意識されているのですね。
濱田さん:やっぱりコロナの時期に、人生が一度リセットされた感じはしますね。コロナを乗り越えられたからこそ、価値観が変わったのかも。音楽界の先輩が亡くなって、時間ってあっという間に過ぎてしまうと身に染みたこともあります。そのときに抱いた気持ちが、強固な思いになっている気がします。
子育てもずっと走り続けてもうゴール間近に来た感じですが、モダチョキみたいに一回失って取り戻したものって人生になかった。一度、活動停止したときの気持ちも覚えているので、それを教訓にしてどう楽しもうかといつも考えていて。だからライブはめちゃくちゃ楽しいです。1回、1回、感謝しながらライブをやっています。メンバーも大切だし、お客さんも楽曲も全部大切。再結成で人生が変わったかもしれません。