クライミングに初挑戦もその日の最速タイムを出して
── フリークライミングも得意でいらっしゃいますよね。どのようなきっかけで始めらえたのでしょうか。
濱田さん:娘とテーマパークに出かけたときに、期間限定アトラクションでクライミングウォールが出現していたので、一緒に登ってみたんです。恐る恐るハーネスを装着して。けっこう高い壁だったんですが、なんとその日の最速タイムを出してしまって。自分でも「なに本気を出してるんだよ」って思うのですが(笑)、「もしかしたら適性があるのかも」と思って始めました。
── 偶然、やってみたらハマったのですね。
濱田さん:でも当時は、娘がまだ小学校の低学年だったので、ボルダリングに没頭するには時間がたりなかったんです。やってみたら「これはハマったらヤバいスポーツだ」って気づいたので(笑)。始めてから数か月で1回お休みし、数年後に再開しました。
そのきっかけもまた偶然で。撮影現場の近くにたまたまクライミングジムがあったんですよね。東北地方でロケだったのですが、ちょっときつい撮影で、精神的にしんどいなって感じていました。その空き時間に久しぶりにクライミングをやってみたんです。そうしたら「こんなに楽しかったっけ?」って思ったし、すごくストレスが発散できた感じがして。多分、楽しいことに飢えていたんでしょうね。「もっと登りたいから撮影を頑張ろう」って思えたんです。フリークライミングは2011年から休まず続けているのですが、今はそのときの恩返しのつもりで壁を登っています。
── オリンピックなどの競技でもフリークライミングが正式種目になりましたよね。
濱田さん:2028年のロスオリンピックはパラクライミングも正式種目になりました。おもに視覚障害や神経麻痺の方、あるいは体の一部が欠損している方が壁を登ります。見ていても迫力があって…本当に感動しますし、素晴らしいです。今私、視覚障害の方のサイトガイドをしていて。「右手11時の位置だよ」と位置を知らせる役目です。自分は登っていないけれど、すごく達成感がありますね。
PROFILE 濱田マリさん
はまだ・まり。1968年生まれ、兵庫県出身。1992年、「モダンチョキチョキズ」のボーカルとしてメジャーデビュー。1997年にバンド活動停止後は俳優として活躍し、NHK連続テレビ小説『マッサン』『カムカムエヴリバディ』など、数多くのドラマや映画に出演。2021年からは「モダンチョキチョキズ」の活動を再開。
取材・文/池守りぜね 撮影/CHANTO WEB NEWS