イライラしたら「ネイルに没頭」でキレイになる!

── それでもイライラしてしまったときは?

 

奈美さん:何か集中することを見つける、という手段を学びました。たとえば、怒られてイラッとしたら、ネイルをする。ネイルって集中するから、ある意味、座禅みたいな感じです。だから、イライラしたときほど、私の爪はキレイになるんです(笑)。あと、よく気分転換にしているのが、マスキングテープのアート。マスキングテープをちぎって、貼ってと作業していると、ひとりの世界に入れちゃう。題材はいつもワンちゃんや猫ちゃん。保護犬・保護猫のボランティアで販売してもらって、それを医療費にしていただいています。ひとつの作品を仕上げるのに6〜8時間くらいかかるので、ひんぱんにはできないんですけど。イライラの解消になりつつ、みなさんのお役に立てれたらいいですよね(笑)。

 

奈美悦子さん
自作のマスキングテープアート。お見事!

── 切り替えられる術があるのはいいですね!

 

奈美さん:仕事柄か、自分の頭の中で「カチンコが鳴る」んです。ここからは大人しくてかわいい奥さんにならなきゃいけない、ケンカしちゃいけない、と。そうするとやっぱり自分がラク。怒るってエネルギーが必要になるけれど、それを仕事や他のことに使わないともったいないじゃないですか?30代、40代、50代のころを振り返ると、歳とともにエネルギーも減っているなと思う。この歳になると、あとどのくらい自分のエネルギーがあるんだろうって思うし、もったいないから「ここぞ」というときに使いたい。だから、ムダにイライラしたり、落ち込んだりしないようにしています。

 

日々の何げないことでもそう。たとえば、宝くじに外れても、「ラッキー!」って思うようにする。そのぶん、「ここぞ」というときに大きい運が使えるはずだ、と。そう思えると気がラクというのもあるし、何でもポジティブに受け止めていけば、人生は楽しいですよね。

 

PROFILE 奈美悦子さん

なみ・えつこ。1950年12月27日生まれ、奈良県出身。13歳のとき1500人の中から選出され、西野バレエ団に入団。1967年『文吾捕物絵図』(NHK)で女優デビュー。女優・歌手・タレント・コメンテーターとして数々のドラマや映画、バラエティ番組に出演し、幅広いジャンルで活躍している。

 

取材・文/小野寺悦子 写真提供/オフィスPSC