妻が断酒したタイミングで僕もお酒辞めて
── 2022年3月に第一子である息子さんが誕生。コロナ禍とは言え多忙だったかと思いますが、お子さんと過ごす時間はありましたか?
駒場さん:今は定期的に休みをもらうようにしたんですけど、2022年はまだまだそんなこと言えなくて、何か月も休みがなかったですね。3月に子どもが生まれたんですけど、奥さんも初めての子育てでいっぱいいっぱいになっていて。8月には奥さんの実家、兵庫県に子どもを連れてしばらく帰ってました。
子どもはめちゃくちゃかわいいから、奥さんが帰省する前は僕も早く家に帰って子どもに会いたいと思ってたんですが「全然、仕事終わらへん…」ってなるときがしんどかったですね。「もう帰ってええやろ?」「この撮影いるか?」って自分のなかで悶々としてきて、全方向的によくなかったです。あと、息子もなかなか寝えへんし泣き止まないタイプだったので、ベビーカー乗せるのもひと苦労で、いろいろクセ強めだったんです。奥さんもいろいろ重なって困惑してて、けんかまでいかないけど、殺伐としてたときもありましたね。
たとえば朝、子どもをベビーカーに乗せるために早起きして。2人でベビーカー押しながらオルゴールをかけてるんですけど、子どもは全然泣き止まないし、僕らも顔死んでるし。ほかから見たら結構な光景やったと思いますよ。オルゴールだけ流れて子どもずっと泣いてて、夫婦で、無言でベビーカー押してるっていう(笑)。
── はい(笑)。駒場さん自身はお子さんのお世話はできましたか?
駒場さん:自分で言うのもアレですけど…マジで全部やったと思います。日中は仕事だけど夜起きてミルクあげるとか。今もそうですけど、自分ができる時間帯は全部やって、自分のことはここ数年何もやってないですね。妊娠がわかってから…というか、妊娠するために奥さんはお酒を辞めていて。僕もそのタイミングでお酒を辞めました。2人で飲みたかったので、断酒している奥さんの前で飲むのもようわからんし、楽しくないので。外にも飲みに行かずにすぐに帰ってたので、奥さんは「誰かに誘われたらいいよ」って言ってくれましたけど、僕も子どもに会いたいし行かなかったですね。子どもが7か月くらいで卒乳したんですけど、そこで僕も飲み出しました。
── 全部とは、お風呂やオムツなどすべてやっていたと。
駒場さん:全部、子どもにまつわることもそうだし、掃除や洗い物、家事もしましたね。もともと家事は嫌いじゃなかったので。うまいこと片づいて子どもと遊ぶ時間あるんだったら全然いいし。たしかに、飲みに行かないと外の世界と完全に断ち切られちゃうので、そこは致命的なんですけど、これも自分次第でなんとかなるかなって。寝る前にちょっとだけラジオ聴いて情報を得るとか。テレビも見ないように布かけてるんですよ。見始めちゃうとダラダラしちゃうから。子どもに全振りしてますね。
PROFILE 駒場孝さん
こまば・たかし。1986年大阪府生まれ。2007年から内海崇とお笑いコンビ・ミルクボーイを結成。19年に『M-1グランプリ』で優勝。2018年結婚し、現在は2児の父。
取材・文/松永怜 写真提供/駒場孝