「思い出したら月収2万円のときもあった(笑)」と明かすミルクボーイの駒場孝さん。バイト時代に妻から逆プロポーズを受け、生活に余裕がなくとも平和な暮らしを続けてきましたが、2019年のM-1グランプリ優勝で生活が突如一変。そのとき妻は── 。(全4回中の2回)
月収6万って思っていたんですが…
── 2018年に結婚されました。プロポーズは奥さんからだったそうですね。
駒場さん:家に一緒にいるときに「結婚せーへん?」「そーやな」って。奥さんから言うてくれましたが、自分も結婚したいと思ってました。奥さんと初めて飲んだとき、仕事の話をしたんですけど、奥さんは当時フードコーディネーターの仕事をしてて、熱量がすごかったんです。人手がたりないときに僕も手伝いに行ったことがありますが、刺身一枚をおいしそうに写すために紙を入れたり、ものすごく工夫していてすごいなって。僕とはジャンルは違うけど、志を持ってて頼もしい。一緒にいても楽しいし、この人やったら結婚したいなって。
── M-1グランプリで優勝されたのは2019年12月。結婚が決まった当初は月給6万円のときもあって生活に余裕がなかったそうですね。
駒場さん:6万くらいって思ってたんですけど、いろいろ思い出したら2万の月もありました(笑)。奥さんも僕もバイトしてましたが、奥さんは「好きなことやってるのはいいことだ」って応援してくれたし、芸人辞めてくれとか、そうしたことは言われなかったですね。お金はなかったけど、何より一緒にいて楽しかった。昼間はバイトして、夕方から(相方)の内海とネタ合わせして、夜は奥さんと飲むみたいな。毎日それだけなんですけど、めっちゃ楽しくて。奥さんに聞いてないからわからないけど、お金とか関係なく、たぶんこの先もやっていけるかなって思って結婚してくれたと思うんですけど。
── お互いの愛情がありつつ、2019年12月22日にM-1グランプリで優勝すると、生活も一変したのでしょうか?
駒場さん:決勝が終わった直後から密着がつきましたね。優勝会見や打ち上げ配信、インタビューが朝4時くらいまであって、シャワーでちょっと休憩させてもらって5時から『めざましテレビ』ですよって言われて。家に帰れたのは優勝から3日後くらいですね。
密着中に弟が撮った動画を見せてもらったんです。神奈川の実家で両親と妹家族、弟家族が集まってて、M-1グランプリをみんなで観てるんです。優勝が決まった瞬間、オトンとオカンが「わぁっ!」ってなって、妹と弟の奥さんが抱き合ってる映像を見て、ホンマよかったなって密着中にめっちゃ泣きました。オカンも、息子が大阪で芸人やってるって言ってるけど、まだまだ名前も知られてないし、肩身も狭いとこあったと思うんです。奥さんのお父さん、お母さんとも結婚前からすごく仲良くさせてもらってるけど、世間で見ればまだまだ売れてないやつに娘をあげて、微妙な気まずさもあっただろうし。自分が何か言われるぶんにはいいですけど、周りの人に対してしんどい思いさせてたよなって思うと、優勝できてよかったなって泣きました。
その後、密着が終わって家で奥さんと2人になったら、今度は奥さんがめっちゃ泣いてるんです。「優勝おめでとう!」とは言うものの、ここからどうなっていくのかわからんて。今まで平和に暮らしてきたのに、どうなってしまうんだろうって泣いてて。僕もごめんな、ごめんなって言って、優勝はええことなのに一緒に泣いて(笑)。今までみたいな、2人で飲んでカラオケ行ってみたいな日々はもうなくなるだろう。だいたい関西でもM-1優勝する人って、ちょっと実力つけて人気も出てからボンっていくのに、ゼロから一気に行ったので僕も奥さんも気持ちがついていけへんって言うのが大きかった。僕らもこなしていくしかないし、奥さんも大変やったと思いますね。急に東京バンバン行くし、これからどうなるんだろうって泣いてたのが印象的でした。