言葉は傷つける道具でもあり、守る盾でもある

── 最近、SNSでの誹謗中傷など、言葉の持つ力がネガティブにはたらく場面も増えているように感じます。B.B軍曹さんはそんな言葉について、どうお考えですか?

 

B.B軍曹さん:私自身、SNSで誹謗中傷を受けた経験があります。本当につらかったし、相手の言葉に傷ついて、眠れない夜も…。事実無根の書き込みに対して、「何でこんなことを言われなきゃいけないんだろう」と何度も考えました。でも、ただ耐えるだけでは解決しないと思い、専門家に相談し、開示請求と法的措置を取ることにしました。その結果、相手に責任が問われる形となり、自分の尊厳を守ることができたのは、大きな一歩だったと思います。

 

誹謗中傷は、誰の人生にも入り込む可能性があります。だけど、髭が言ってくれた「言葉にはその人の限界が表れる」という言葉を胸に、自分自身を守る強さを持とうと思えました。そして、そういった経験を経て学んだのは、「自分が傷ついた経験を、誰かの盾に変えられる」ということ。傷つけられた側が沈黙しないことで、次の被害を防ぐこともできるんです。

 

言葉は人を傷つける道具にも、誰かを救う贈り物にもなります。だからこそ、使うときには責任が必要です。今では、私自身が発する言葉が誰かを支えるものになればいいなと、心から願っています。

 

── つらい経験も経て、今に至っているんですね。そんなB.B軍曹さんの作品が、読んでくださった方々の心の支えになっていたら、とても嬉しいですね。

 

B.B軍曹さん:どんな日常のなかにも、小さな気づきがあります。私の作品が、皆さんの日々に「もう少し肩の力を抜いてみようかな」と思える瞬間を届けられたら嬉しいですし、髭の言葉が、作品を手に取ってくださった方にとって「心が軽くなるギフト」になれば幸いです。

PROFILE B.B軍曹さん

2019年より、夫である通称「髭」との日常を描いたエッセイ漫画の投稿をSNS上でスタート。ポジティブすぎる夫とのやりとりが反響を呼び、インスタグラムでのフォロワーは32万人を突破(2024年10月現在)。薬剤師、漫画家、実業家、インフルエンサーと、多彩に活躍中。近著に『全てのネガティブをプラスに変える夫 髭「NGと書いてナイスガイと読む」編』『全てのネガティブをプラスに変える夫 髭「さては人生3周目だな」編』(ともに主婦と生活社)。

 

取材・文/鶴町かおり