薬剤師や実業家として活躍するかたわら、漫画家の顔ももつB.B軍曹さん。夫である通称・髭さんとの日常を描いたエッセイ漫画が、インスタグラムを中心としたSNS(@b.bgunso)で人気です。毎回注目を集めるのが、髭さんのスーパーポジティブな会話術。B.B軍曹さんの新しい職場での悩みも、解決のきっかけは髭さんのひと言だったそうです。
直接的な言葉でなくてもプレッシャーに感じてしまう
── 新しい職場やチームで仕事をするときの定番といえば「わからないことがあったら、なんでも聞いてね」という言葉。このありがちなひと言に人知れず悩んだことがあったそうですね。
B.B軍曹さん:この言葉、親切心で言ってくれているのはわかるのですが、受け取る側としてはプレッシャーに感じることがあると思うんです。
── そもそも新しいことばかりの環境だと、わからないことだらけで、聞くに聞けない場合も…。
B.B軍曹さん:そうなんです! 特に新しい環境では「何がわからないのか」さえわからないことが多いですし、「こんなことを聞いてもいいのかな?」と躊ちょしてしまうこともありますよね。
── 質問するのって、意外とハードルが高い行動ですよね。だから、「わからないことを聞くべきか迷った時点で、ぜひ話してほしいな」という髭さんの言葉は響きました。
B.B軍曹さん:「迷ったら話してほしい」というのは、「迷う自分を否定しなくていいよ」っていうメッセージなんじゃないかなと思っています。迷うことは悪いことではなく、「考えている証拠」なんですよね。その考えに気づいたとき、初めて自分に優しくできました。髭はよく「迷いの先に見える景色が、本当に必要なもの」と言います。この言葉には「迷ったときこそ、その迷いを誰かと共有すれば、新しい道が見える」という意味が込められている気がします。迷いを肯定できるようになると、人生が少し軽やかになるんですよね。
「不完全なもの同士だからこそ、おもしろいものが生まれる」
── 髭さんの言葉って、言われたいのはもちろん、自分も先輩の立場として、こういった声がけができるようになっていきたいという目標にもなりますよね。
B.B軍曹さん:私も後輩や部下には、髭のような声をかけられる人でありたいと思います。「質問すること=できない自分を見せること」ではなく、「一緒に考えるチャンス」として受け取れるような環境をつくりたいです。髭はつねづね「自分の経験を押しつけず、相手が必要なときにそっと支えるのが本当の優しさ」と言っていて。この言葉を胸に、私も「相手のペースを大切にするコミュニケーション」を心がけていきたいと思っています。
── 同じ意味合いの言葉でも、少し表現を変えるだけで「人を惹きつける話し方」になる。髭さんのポジティブな発想からの賜物ですね!
B.B軍曹さん:髭の発想には「シンプルな視点に立ち返る力」があると思っていて。例えば、「迷ったら聞いて」という言葉。これって簡単なようでいて、「迷う自分を肯定してもらえる安心感」が含まれているんですよね。髭はよく「不完全なもの同士だからこそ、おもしろいものが生まれる」と言っていて。その言葉から、「相手に完璧を求めない」ことの大切さを学びました。この視点を持つだけで、人間関係がすごくラクになったんです。
── 作品を拝読していると、【髭(夫)✕軍曹(妻)】のやりとりには、あらゆる人間関係に応用できるヒントが散りばめられていて、つい真似したくなります!
B.B軍曹さん:漫画にするうえで、私自身、多少の脚色を入れることはありますが、「これくらいのことなら、自分も言えるかも」と思わせるのが彼のすごいところ。そんな言葉だからこそ、日常の中で自然と真似したくなるのかなと思っています。