40歳ころからメディアとは距離を置き、家族との生活を優先していた川越達也さん。しかし、2024年7月から突如としてYouTubeを始めます。その真意とは── 。(全4回中の4回)

20代で独立した当時の自分と重なった

川越達也
2013年、代官山の店にて

── 2016年に結婚されて3児の父に。現在は東京、長野、宮崎の3拠点で活動をされているそうですが、一時に比べてメディアでの露出が減った印象があります。いくつか理由があったとか。

 

川越さん:もともと40歳あたりで仕事をいったん休業し、飲食に関わらず違うこともしてみたいと思っていたんです。あと、子どもも生まれたので家族との時間に充てたかったし、ずっと駆け抜けてきたので、一度立ち止って、次の人生について考えてみたかったんです。

 

── 2024年から川越さんのYouTubeの配信が始まりました。なぜ、このタイミングだったのでしょうか。

 

川越さん:今までいろいろなメディアから声は掛けていただきましたが、ほぼ断っていたんですよね。でも今年の3月に、ある20代の女性が僕の事務所にYouTubeの話を持ちかけてきてくれて。聞けば、彼女は今年3月に動画関連の仕事で起業したばかり。まだ何者でもない彼女が僕に興味を持って事務所に何度も連絡してきてくれたので、まずは1時間くらい電話で話を聞いてみました。その後、会って詳細を聞くことになりましたが、いざ会ってみたら初回で8時間も説得されるっていう(笑)。でも、彼女の熱意は感じたし、後半から僕の腹は決まっていました。

 

僕は20代で独立しましたが、そのころの一生懸命だった自分とちょっと重なった部分もあったんですよね。あと、同世代の方たちとタッグを組む安心感もあるけれど、年齢がふた周り以上違う彼女…、荒木というんですけど、荒木と組むことで何か新しいものが生まれるんじゃないか。事業を始めたばかりで粗い部分も、未知な部分もあるだろうけど、若い感性に従ってみるのも楽しそうだなと思ってチャレンジすることに決めました。

 

── YouTubeにはもともと興味があったのでしょうか?

 

川越さん:自分がYouTubeをやるなんてまったく想像つかなったです。ただ、子どもたちがよく観てるんですよ。僕が「川越シェフ」っていうのは子どもたちも、子どもたちの友達も過去の映像を観ながらだいぶわかってきたから、YouTubeっていう枠の中で活動るのもいいかなって。

 

── 3月に荒木さんからオファーがきて、即答だったのでしょうか?

 

川越さん:自分のなかでは決まっていたけど、YouTubeは不特定多数の人が見るから、うちの奥さんと子どもたちに相談しました。奥さんは、最初は不安がっていましたが、お仕事としてしっかりやるのであればと背中を押してくれました。子どもたちは、「パパ、YouTube始めようと思うんだけど、どう思う?」「やだー、キモーい!」って(笑)。喜んでくれるかと思ったらまさかの反応。最初は娘たちに黙って始めましたが、最近は喜んでくれています。