遊びも全力で「常に息を切らして」
── 関根勤さんと、より仲良くなるきっかけがあったそうですね。
Kさん:日本語で話してはいましたけど、僕は外国人で、結婚して最初のころはうまくコミュニケーションを取れていないこともあったかもしれません。今より少し距離はあったと思うのですが、ゴルフという共通の趣味ができてから、よりいっそう深い仲になりました。今は、2人でずっとゴルフの話をしています。2人でゴルフショップに行って、ウェアやクラブを買って、一緒に練習場やゴルフ場にも行きます。ゴルフ関係のYouTubeも関根さんと見ていますよ。
── ゴルフがきっかけで仲が深まる話はよく聞きますが、その理由はどこにあるんでしょう。
Kさん:飲み会でお酒が入って盛り上がるということはあると思うんですけど、次にシラフで会うときは元に戻っているんです。何回か回数を重ねれば仲良くなると思いますが、やっぱりお酒の力を借りていたんだなと。ゴルフは、シラフで長時間一緒にいるということも深い関係性を築く上で大きいと思います。それに、ゴルフ場は周りに自然しかなく、プレーに集中できる環境です。相手のショットを見てどういう性格かも見えますしね。関根さんとは、ゴルフの前後も一緒にいることが多いです。昨日、僕がゴルフ疲れを取るために家で使っていたマッサージ機を関根さんが「これ首に効くね」と言って、借りていきました。「もう一個買っておいて」だそうです。
── Kさんの娘さんは関根勤さんにとって孫にあたりますが、おじいちゃんとしての姿はいかがですか。
Kさん:娘たちと接しているときに関根さんのよさがより発揮されると思います。僕は子どもの親なので、ときにピリッと空気を変えなくてはならない場面がありますが、関根さんは子どもたちとも仲良しで本当の友達のように接しています。僕も割と子どもとは友達のように接しているのですが、関根さんはさらにすごいです。子どもと遊ぶのもけんかをするのも本気で、子どもにとってもいい環境だなと思います。
関根さんは遊ぶことに対して毎回全力なので、子どもと遊ぶときは常に息を切らしています。親は子どもと遊びに行っても「帰りは運転しなきゃならないから、あんまり走るのはやめよう」とか、ペース配分も考えますよね。関根さんは絶対に中途半端なことはしません。これは遊びに限らず、仕事のときも同じで常に全力です。こういう父親の姿を見てきたから、妻もまっすぐに育ったんだなと思いますね。
PROFILE Kさん
けい。韓国・ソウル出身。シンガーソングライター。2005年3月『over...』でデビュー。同年11月『1リットルの涙』の主題歌『Only Human』が大ヒット。2009年、外国籍としては史上初となる全国47都道府県を制覇した弾き語りツアーや、2010年には自身初となる日本武道館公演など、圧倒的なライブパフォーマンスで高い支持を集める。2022年、大阪在住のR&BバンドNeighbors Complainとのニュープロジェクト『Purple Drip』も始動。2023、2024年にはミュージカル『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』にDuke役として出演。ライブ以外にもNHK『ハングルッ!ナビ』のMCやラジオDJ、ナレーターなど幅広く活動している。
取材・文/内橋明日香 写真提供/K