50代後半ともなれば、これまでの惰性で漫然と仕事に取り組む人もいるでしょう。「まだまだこれから!」と、新しい人生に向かって走り続ける森脇健児さん。その源とは?いまの生活や最近80万円近くかけたものについても聞きました。(全5回中の5回)

物欲はゼロ「最近お金をかけたのは人間ドック」

森脇健児さんと息子さん
森脇さんと息子さん

── 「走る男」として知られ、健康への意識も高い森脇さん。毎日21時に寝て、朝4時半に起きる生活を送っていらっしゃるとか。

 

森脇さん:いまの生活リズムになったのは、コロナあたりからかな。成長ホルモンの分泌は22時〜2時くらいがピークだと本で読んだので、21時には布団に入るようにしていますね。

 

── 50代後半といえば、世間では不眠に悩む人も多い年代ですが、まさか成長ホルモンを意識されていたとは(笑)。

 

森脇さん:まだまだ自分は成長期だと思ってますからね。仕事が終わったら全力でランニングをして、夜はお風呂にゆっくり入り、お酒を少し飲んでから寝るのが日々のルーティンになっています。その日のエネルギーをすべて使いきってから寝るせいか、布団に入ったらコテンと眠り、目を開けたら朝という感じです(笑)。夜遊びもしないし、車や時計にも興味がない。今いちばん欲しいのは、「速く走れる体」ですね。

 

森脇健児さん
もうすぐ還暦とは思えない森脇さんの走る姿

昔は芸人といえば、浴びるほどお酒を飲んだり、ハチャメチャな生活をしたりする人が多くて、ぼくらもその破天荒さに憧れたものですが、いまは時代が違う。そんなことをしたらスキャンダルになって、いろんな人に迷惑をかけるし、みんなの期待も裏切ってしまいます。ただ、絵にかいたような健全な生活を送るぼくにとっては「いい時代が来た!」と思っていますけど(笑)。

 

── 夜21時就寝の生活で、物欲もなし。お金は何に使われるのですか?

 

森脇さん:最近いちばんお金をかけたのは、人間ドックですね。これまで受けたことがなかったのですが、さすがに57歳なので、一度、徹底的に調べてもらおうと思って、入会金40万円を払って、40万円のコースを受けてきました。

 

── 人間ドックに総額80万円!?

 

森脇さん:28歳になる息子は「人間ドックに80万って、アホちゃうんか!」とあきれていましたね(笑)。自分でも贅沢すぎるかなとためらいましたが、ほかにお金も使わないし、我々の仕事は体が資本ですからね。ただ、さすがに40万円のコースだけあって全身くまなく調べるものだから、ちょっとでも異常が見つかると、すぐに再検査。結局、なんともなかったのですが、かえってドキドキして、「これってむしろ心臓に負担がかかっているのでは?」と、思っちゃいました(笑)。

 

── 現在、テレビやラジオなどのメディアをはじめ、マラソンなどのスポーツイベント、講演など、幅広いジャンルで活躍されています。ご自分としては、「再ブレイク」といわれる現状をどう見ていますか?

 

森脇健児さん
50代とは思えない体で今年も赤坂を走った森脇さん

森脇さん: 再ブレイクだなんて、自分ではまったくそんなふうに思っていないです。むしろ、北野武監督の映画『キッズ・リターン』の名セリフ「まだ始まっちゃいねぇよ!」じゃないけれど、「自分はまだ始まってもいない」と思っていて。これまでの経験はすべて序章。ここからまた新たな物語が始まる気持ちでいますね。