妻から「パパとして子育てに一生懸命向き合ってきた」と言われる武田真一さん。ただ、「長男に対して少し厳しすぎた」と反省するところもあるようで。(全3回中の3回)

妻と2人で人生のプロジェクトに取り組んでいる

武田真一
北海道で、モーターパラグライダーに乗ろうとしているところ

── フリー転身後は、夫婦で個人事務所を立ち上げられました。奥さんと一緒に過ごす時間も増えたのでは?

 

武田さん:会社員のころは忙しくて、夫婦でじっくり話すということはあまりなかったのですが、今は、マネージャーとして常に現場につき添ってくれるので、24時間ほぼ一緒です。夫婦で一緒に過ごせる時間が増えて、すごくよかった。おかげで、フリーランスの寂しさや孤独感は味わったことがないですね。

 

── 社長兼マネージャーを務める奥さんは、30年ぶりのお仕事復帰だったそうですね。

 

武田さん:20代半ばまでは新聞社で働いていたのですが、結婚後は、私の転勤もあって、2人の息子の子育てに奮闘してきました。なんせ30年ぶりの仕事復帰になるので、大丈夫かなという気持ちも少しあったのですが、不思議なもので、やっぱり環境が人を作るんですよね。初日に、私が番組用の宣材写真を撮られている間、スタッフが妻を囲んで「この写真、どうですか?」などと、やりとりをする姿が遠目に見えました。妻も「そうですね~」なんて真剣な顔で写真を選んでいて。「意外と様になっているな」と安心しました(笑)。

 

もともと明るく素直で、誰とでも打ち解けるタイプ。天真爛漫で、まったく身構えていないので、いい意味で「社会人らしさ」がないんです。ですから、皆さんがいろいろ親身になって教えてくださったり、温かく受けてもらえたりするのかなと思っています。あらためて「本当に人間的に魅力がある人なんだなあ」と感じていますね。

 

── それって、パートナーからの最高の誉め言葉だと思います!普通なら24時間一緒いると、夫婦ゲンカが増えそうです(笑)。

 

武田さん:もちろん、うちだって、小さなケンカはしょっちゅうありますよ(笑)。妻は、ぼくに「こうあってほしい」っていう思いが強いので、画面に出るときの髪型や姿勢、振る舞いなど、いろいろと細かく指摘されます。「NHKのころは何も言わなかったのに、なんでこんなに言われるようになったんだろう」と思うくらい、ダメだし…ではないですね(笑)、アドバイスをくれます。

 

── マネージャーとして、それだけ責任をもってお仕事に取り組んでいらっしゃるのでしょうね。奥さんからは、たとえばどのようなアドバイスが?

 

武田さん:主に、言動、しぐさ、姿勢ですね。「手は前で組まずにテーブルに置いておいてみたら?」とか、朝の番組なので、「もう少しハキハキとしゃべるようにしたら?視聴者の方が元気になるように、はつらつとしていなくではダメよ」と。本当にその通りだなと思います。ただ、もともとしゃべり方がゆっくりですし、性格的にもそれほどテンションが高いほうではないので、山ちゃんや周りの芸人さんたちのテンポについていってない感じがあって(笑)。

 

あるときは「拍手をするときに、顔の前で小さく叩くのではなくて、もっとはっきり拍手したほうがいいんじゃない?」と言われたのですが、これがなかなか難しい。最近は「まあ、これもかわいくていいじゃないか」と(笑)。

 

── 二人三脚で歩まれてきた1年半だったのですね。

 

武田さん:夫婦2人だけの会社ですから、こうあるべきといったルールは作らず、ぼくらのやり方で、自分らしくいられることが、何より大事だと思っています。ゼロからスタートですから、ときどき失敗して迷惑をかけることもあったりしますが、それもまたいい経験。今は、2人で手探りしながら新しい冒険をしている最中です。

 

妻には、本当に感謝しかないです。ずっと一緒に「2人で人生のプロジェクトに取り組んでいる」という感じがして、「これって本当に幸せなことなんだろうなあ」と思いますね。