気になるSNSのエゴサーチについては…

武田真一

── 視聴率やSNSなどの反応は、どれくらい気にされますか?

 

武田さん:一喜一憂するわけではありませんが、やっぱり意識はしますね。毎日、番組終了後に視聴率のデータを見ながら、どんなコンテンツが人気なのか、現状を把握します。エゴサーチはしませんが、SNSも見ますよ。なかには厳しいご指摘もありますが、そこは真摯に受け止めます。

 

ただ、過度に視聴率に左右されすぎるのもよくないと思うんです。テレビには、視聴者が望むものを提供する一方で、皆さんがまったく知らないことをお伝えする役割もあるはず。ですから、そこに迎合してばかりでは、メディアとしての責任を果たせません。新しい発見をしていただくために「半歩先を行く」ことも大事です。そこは、制作側の感性が問われるところなので、僕自身も幅広いジャンルの情報に触れたり、インプットの機会を増やして自分をアップデートしていく必要があります。

 

大事なのは、過去の実績よりも「今、何をやっているか」だと思っているので、今は、『DayDay.』のMCとしての評価をいただけるように頑張っているところですね。

 

── たとえば、どんなことを意識されているのでしょう?

 

武田さん:報道ニュースを読んでいたときと違い、今はMCとして番組のなかで自分の意見を述べなくてはいけません。世の中の出来事に対し、どう受け止めて、どんな態度を取るのか、これまで以上に真剣に考えるようになって、ニュースへの向き合い方がより深くなりました。「今日こんなことがありました」だけでなく、そこに至るまでの経緯、世間での意見などを把握したうえで、自分がこのニュースに対し、どういう態度でモノを言っていくか、これまで以上に突き詰めて考えなくてはいけないと思っています。適当なことは言いたくないので、そこはプライドとこだわりをもってやっていく。それにより、少しでも世の中がよくなったり、見てくださる皆さんの理解が進めばいいなという思いがあります。

 

── 会社員時代とフリーに転身されてからでは、時間の使い方もかわったのでは?

 

武田さん:さいわいなことに、自由になる時間が増えましたので、たくさん映画を観たり、趣味のギターを弾いたりしています。取材や講演活動でいろんな地域に行く機会も増えたので、なるべくその前後には、街をいろいろ探索するようにしていますね。

 

── 映画はどんなジャンルを?

 

武田さん:情報番組をやっているので、できるだけジャンルを問わず観るようになりました。今までなら、積極的に観に行かないだろうなと思うようなものにも行くようになりました。もともと是枝裕和監督とか、黒沢清監督などが好きなのですが、バリバリのSF超大作とか、ハリウッド作品とかといったものも観るようになり、楽しんでいます。もちろんアニメも観ますよ。