母親が「自分を大切にする」きっかけになれば

清川さんは今秋から、食のブランド「GOKAN」を立ち上げました。「五感で食を感じる」をコンセプトに醗酵調味料や食器、キッチンツールの販売のほか、オンライン講座などを開催するといいます。

 

清川麻衣子さんの手料理
素敵な器に盛られた美味しそうな和定食は清川麻衣子さんの手作り

「毎日の生活で大切な衣食住のなかでも、私が特に親しみがある食を極めたいと思いました。実家は3食手作りの和食が出てくる家庭で、それが当たり前の環境で育ちました。私自身は、早発閉経や更年期の症状を直接的に防ぐことができなかったのですが、人間ドックの数値などをみても問題はなく、基本的に健康なのはこれまで母が続けてきてくれた食の習慣のおかげだと思っています。家族はもちろん大事ですが、まずは自分を一番に大切にしてほしいです。

 

清川さんは、食を通じて「自分と向き合う大切さ」を伝えたいと考えています。

 

「日本では自己犠牲が美徳という雰囲気がまだあって、自分がボロボロでも家族に尽くすことがいいとされている風潮を感じることがあります。でも、まずは自分があってこそ。自分が元気でいることで他人の幸せのこともより深く考えられます。生活を見直して健康について考えてほしいという思いを届けていきたいです」

 

PROFILE 清川麻衣子さん

結婚後、妊活を機にフリーランスとなる。出産後、38歳で早発卵巣不全との診断を受け、更年期症状の治療を続けながら今秋、食を総合的にプロデュースするブランド「GOKAN」を立ち上げた。1児のママとして家事や育児との両立を図りながら五感で楽しめる食の提案をしている。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/清川麻衣子