出産後に更年期の症状が現れ、38歳で早発卵巣不全(早発閉経)と診断された清川麻衣子さん。子育てと治療を続けるいっぽうで「#更年期ママの日常」として、当事者の悩みをSNSで発信し続けています。
更年期の症状「自覚していない方もいるから」
清川麻衣子さん(39)は、2歳の娘の出産後から、これまで規則的だった月経周期が不規則になり、ホットフラッシュと呼ばれる火照りの症状などが出るようになったといいます。
病院を受診したところ、38歳で早発卵巣不全(早発閉経)との診断を受けました。何らかの理由で卵子の数が急激に減り、通常50歳前後で現れる更年期症状と向き合うことになった清川さん。自身が経験した更年期の症状などを、SNSで発信することにしました。
「自覚していない方もいると思うので、私が発信することで誰かの役に立てたらいいなという思いで投稿しています。私の場合は結婚後、妊活をきっかけに在宅ワークで仕事をしているので、体がしんどいときには休むこともできました。でも、毎日通勤して人に会う必要がある方はさらに大変だろうなと思います。InstagramのDM(ダイレクトメール)では、『会社でクーラーが効いていても自分だけ汗だくで、誰も汗をかいていない冬でも関係なく同じ症状が出て困る』というメッセージも寄せられました」
清川さんは、納得できる治療方針を求めて病院を転々とし、現在は片道1時間以上かけて3件目のクリニックに通院しているといいます。
「早発卵巣不全を専門にしている病院が少ないので、ネットで探したり自分で調べたりしました。治療法はいろいろありますし、投薬が合わないと出血が増えてしまう方などもいらっしゃるそうです。私は治療方針をまだ決めている途中です。今、通っているクリニックは残っている卵子でギリギリまで生理を起こす方向にするとのことでした。本当に生理が来なくなったときにはホルモン治療に切り替えていくようです。
先生からは卵子の数は生まれながらに決まっているらしく、その卵子の数がもともと少なかったか、途中から急に大量に減っていったかのどちらかだと言われました。遺伝や放射線治療の有無も関係があるそうですが、私の場合は当てはまらないので、はっきりとした原因はわからないままです」
女性は、年齢や排卵と共に卵子の数が減少し50歳前後で生理がなくなる閉経を迎えます。早発卵巣不全とは、卵子の減るスピードが通常よりも速く、40歳未満で閉経することを指します。早発卵巣不全によって女性ホルモンが不足すると、妊娠を希望する方にとっては治療が困難な不妊となるほか、骨粗しょう症や心筋梗塞などに発展する場合もあるため、早期の治療が必要になります。
清川さんは、更年期症状の治療のため、通院しながら育児と仕事を両立する立場として伝えたい思いがあるといいます。
「母親になると自分の優先順位が下がって、体調不良を見過ごしてしまうことが増えます。子どもを小児科に連れて行くのが精一杯で、自分は後回しにしてしまうようなことは多くの方に経験があると思います。でも、女性は特に産後、何かしらの不調を感じている方は多いと思うんです。頭痛や生理不順もそうですが、それを見過ごしてしまうと私のように閉経していたとか、早くに治療を受けなかったことで他の病気に繋がってしまったなど、どんどん負の連鎖に陥ってしまいます。私が経験したことを活かして、まずは自分を一番に考えてほしいというメッセージを伝えられる方法を考えています」