「娘には叱れない」

── おふたりとも娘さんが生まれたのも一緒でしたね。

 

慶太さん:偶然にもそうなったんですが、自分たちは下に弟がいて男きょうだいのなかで育ったので、新鮮ですし華があって。家の中も明るくていいですね。最近、上の子が妹に嫉妬するようなこともありますが、娘はやっぱりかわいいです。でも、かわいさと大変さって、比率で言うと6:4くらいで。まだかわいさが上回ってはいますけど、もちろん大変でもあります。でも結局、かわいいから「もう全部いいよ〜」ってなっちゃってます(笑)。

 

── デレデレですね(笑)。叱ることはあまりないですか。

 

慶太さん:叱れないんですよ。嫌われたくないので娘にダメとは言いたくなくて。ここは注意しなきゃというときは「ママ、ちょっと言って」と妻に頼ることも多いです。

 

── 奥さん、聞いてくれるんですね!

 

慶太さん:はい、お願いしちゃってます。息子だったら自分で叱っていたと思うんですけどね。自分たちもそうやって育ってきたし、親父なら言わなきゃと思う部分もあるんですけど、娘の前ではそうはいかないんですよ。以前、スポーツインストラクターをしていたときに、子どもを担当していたこともあって。子どもと接するのはすごく好きだったんですけど、やっぱり自分の娘となると全然違って、ものすごい責任があるなと感じますね。

 

斉藤慶太さんと娘
長女と次女をを抱っこする斉藤慶太さん

── 育児の大変な部分はどんなところですか。

 

祥太さん:慶太を間近で見てきた部分はあるので、子どもはかわいいけど大変というのは聞いてはいたんですけど。でも、いざ父親になってみて、身をもって実感していますね。一緒に生活していると、時間の使い方もそうですが優先順位はすべて子どもが先になってきますし、自分のしたいこともできなくなる。それに、子どもがいる生活は、何事にも時間がかかるなと思います。

 

慶太さん:実際に育ててみると、かわいさの裏にこんなに大変なことが隠れているんだと思うよね。出かけると言っても、その前に着替えやおむつ替え、いろいろすることがあります。ベビーカーやチャイルドシートを嫌がることもありますし、ご飯を食べに行っても、ギャーギャー騒いでしまって。「外に行くだけなのに、こんなに大変なんだ」とか。寝かせるのもそうですが、一つひとつに時間も手間もかかりますね。

 

自分たちが小さかったころについて母親に聞いてみたことがあったんですが、夜泣きがひどかったとかいうこともなく、意外に手はかからなかったと言ってたんです。もしかしたら覚えてないだけかもしれないですが。

 

祥太さん:へぇ〜、そうなんだ。

 

慶太さん:とは言っても、実際に子どもを育てて苦労を感じたときに、自分らは同時にふたりいたわけなので、大変じゃないわけはないだろうと思いますね。祖母も一緒に育ててくれていたので、そこは大きかったと思いますけど。子どもが生まれて、父親になってぼくはかなり変わったと思います。生きる活力といいますか、モチベーションも考え方も変わりました。責任感と、目標を持って何事にも取り組まなきゃダメだなと思えるようになっています。

 

PROFILE 斉藤祥太さん・慶太さん

さいとうしょうた・けいた。1985年生まれ、神奈川県出身。山形県金山町観光大使。44プロダクション所属。ドラマ『キッズ・ウォー』、『ホットマン』などヒット作への出演のほか、『王様のブランチ』レギュラー、映画『タッチ』では双子の兄弟として主演を果たす。現在は俳優業と並行して職人としても働く。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/斉藤祥太・慶太