交際中から私の状況を理解してくれていた夫
── 2016年に俳優の山崎樹範さんとご結婚されています。交際中、山崎さんにご病気のことは伝えられましたか?
吉井さん:最初のころは私も恋に夢中だったので、何を言ったか正直よく覚えていないんですけど(笑)。ただ、おつき合いした時点で病気を経験したことは知っていたようです。私も「じつはね…」と、わざわざ言うことはありませんでした。
── ブログやSNSに山崎さんの手料理をたびたびアップするなど、夫婦仲のよさが伝わってきます。
吉井さん:夫は料理に興味があって、よく作ってくれます。料理研究家の方のYouTubeを見ては実際に作ってくれるので、私はラクさせてもらってます(笑)。ただ、お酒が大好きなところは心配で。一度飲みに行くとなかなか帰ってこないんです。結婚したてのころは、こんなに長い時間飲んでいられるわけがない、信じられない!なんか怪しい!なんて思っていたんですけど(笑)。でも、最近はむしろ体のほうが心配になってきましたね。
夫婦の仲はいいと思います。私は親しい相手に喜怒哀楽をはっきり見せてしまうほうなので、最初は彼もめんどうくさかったはず。でも夫は嫌な顔をせず、悪いところはきちんと指摘してくれる。どんなときでも私を受け入れてくれて、そのおかげで私自身、人としてちょっと成長できている気がします。
俳優を続け、親孝行することがいまの目標
── 今後の活動、目指すものは?
吉井さん:ひとつは、俳優はずっと続けていきたいですね。まだまだ覚えることがいっぱいあるので、いろいろ勉強しながらお芝居をしていきたい。年齢ごとにふさわしい役というものがあるので、俳優ってずっとできるお仕事だと思うんです。自分がその年齢に合う役を演じられるよう、日々学んでいきたいと思っています。もうひとつはたくさん心配をかけたぶん、親孝行をしたいです。
ふだんは病気のことについて親と話すことはありませんが、やっぱり私以上にしんどかったと思うんです。なので、あまり思い出してほしくないという気持ちがあって。私の親は子どものことが第一で、自分たちのことは何も言いません。とはいえ、もう高齢になってきたので親の気持ちに寄り添って、私にできることがあればしてあげたい。できる限り親孝行をしたい、それを目標に過ごしています。
PROFILE 吉井 怜さん
よしい・れい。1982年生まれ、東京都出身。14歳で芸能界デビュー。グラビアアイドルとして人気を博し、98年TVドラマ『仮面天使ロゼッタ』に主演。2000年に急性骨髄性白血病を発症、02年に復帰。闘病記『神様何するの…』がベストセラーになり、03年フジテレビでドラマ化。現在は女優として映画やドラマ、舞台など幅広く活動中。
取材・文/小野寺悦子 写真提供/ホリエージェンシー