育児中に美容が億劫になる気持ちがわかる
── 子連れで美容室に行き苦労したというInstagramの投稿が、世のママたちからの共感を得て話題になりました。
りんたろー。さん:お世話になっている美容室で個室を取ってもらったんですけど、子どもがずっと泣いてしまっていて、他のお客さんに不快な思いをさせていないか、美容室に迷惑をかけていないかと気が気じゃありませんでした。こういう体験を繰り返していくうちに、だんだん億劫になって美容から足が遠のいてしまうのかなとも思いました。
ぼく自身、美容がもともと好きだったので、どうしても育児が生活の中心になってしまうと、どんどん諦めることが増えてしまう気持ちがわかるんです。ネイルはいいや、自分の新しい服はいいや、とか。
ぼくは人に見られる仕事をしているので、美容室に行かせてもらうのも仕事の一部として、大義名分はあるんですけど。妻は産後そう簡単に美容室に行けていないのに、自分だけ美容室に行くことへの心苦しさもありました。もちろん逆のパターンもあると思います。どちらかがいない間、どちらかはワンオペですからね。夫婦でうまく、時間を作りながらやっていければいいと思うんですけど。
── 夫婦でバランスを取るのは難しいですよね。
りんたろー。さん:子どもがいることってめちゃくちゃ幸せなことで、こんなに何者にも変えられない幸せをいただいているんだから、自分が綺麗になることとか、そっちの幸せは贅沢に感じてしまうというか。そういう心理はすごく理解できます。でも、幸せって取りすぎちゃだめってことはないと思うんですよ。いろんな環境の方がいるので、一概には言えないと思いますが、子どもがいる幸せも自分を磨く幸せも、両方を取っていいと思います。
── 幸せは取りすぎていい、いい言葉ですね!
りんたろー。さん:そう言っていただけて嬉しいです。ただ、一方でぼくがこういう思いを発信すると、それがネットニュースになって、「全男性に読ませたい!」というような見出しがついてしまって。それに対して「うちの夫は全然だわ」というコメントがつく。ぼくは、夫婦間の分断を生みたいわけじゃないんです。どちらか一方が相手に「こうしなきゃいけない」と言いたいわけではなく、美容に対する気持ちが理解できると言っただけで、そこに性差はないと思うんです。美容に限らず、親になってからみなさん何かしら諦めていることってあると思うんです。
女性が母親になってからの変化は大きいですが、男性だってお子さんが生まれる前と後で、100%変わっていない人なんていないと思っているんです。本当はそういうことを言いたかったんですが、夫婦の分断を生んでしまうようなことを、あたかもぼくが発信しているように見えてしまっているのはモヤモヤしますね。夫婦同士が攻撃の対象になるのではなく、家族はチームなので全員が幸せになってほしいなと思います。
PROFILE りんたろー。さん
1986年生まれ、静岡県出身。2017年に兼近大樹さんとお笑いコンビEXITを結成。プライベートでは2022年8月にタレントの本郷杏奈さんと結婚し昨年11月に第1子が誕生。
取材・文/内橋明日香 写真提供/りんたろー。