元・おニャン子クラブのメンバーの内海和子さんは幼少期から長年、皮膚疾患を患い苦しんできたそう。それは近年経験したパニック障害よりもつらかったと言います。(全5回中の4回)
パニック障害よりもつらかった皮膚疾患との戦い
── 内海さんは皮膚疾患で通院されているとのこと。いつ頃からどのような症状があったのでしょうか?
内海さん:子どものころにアトピー性皮膚炎と喘息を患っていて。アレルギーは子どものころからの持病なんです。人生のほとんどをさまざまな皮膚疾患とともにしてきたんですけど、正直な話、パニック障害よりつらかったです。
出産で一度、その苦痛が全部なくなったことがありました。出産後の体の変化なのか、それまで皮膚疾患に悩まない時期を経験したことがなかったので、めちゃくちゃ嬉しかったです。「これで一生悩むことはない!」と。そう思っていたらやはり再発。さまざまなストレスで皮膚疾患が悪化しました。ほんと、苦痛からの解放は幻でしたね。
── 近年もご自身のSNSで、皮膚疾患で通院されたことを報告されていましたが、現在はどのような症状がおありですか?
内海さん:アトピー性皮膚炎のほかに、昨年は掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)という皮膚疾患のなかでも、特に症状がひどいと言われている皮膚病の診断を受けました。手のひらや足の裏に小さな水膨れができて、それがつぶれる、といった症状を繰り返す皮膚の病気です。私の場合は足が特にひどくて、組織を調べるために皮膚を切って生検に出し、アレルギーの注射を打ってもらい、かゆみを抑えるなどの対処をしています。掌蹠膿疱症はどちらかというと、かゆみより痛みが激しいのですが、今の私の症状はかゆさが強いため、診断も経過観察中に切り替わり、様子を見ているところです。
── 今お話ししていてもすぐに見えるところに症状がないので、皮膚疾患で苦しんでいらっしゃることが外から気づかれにくいのもつらいところですね。
内海さん:そうなんです。顔には出ていないけど服の下はすごいんですよ。皮膚の病気ってなった人にしかわからないところがあって。きっとみなさん、「かゆみ」って蚊に刺されるかゆみくらいしか日常ではわからないかもしれませんが、体の中まで突き刺さるようなかゆみなんです。レベルでいうと、夜中に飛びあがるくらい。かゆみで目が覚めますから。そこから水泡がみるみるできて、もうひと晩中寝られないという状況で。
── 内海さんはパニック障害の闘病もされていましたから、同時に発作が起きるのではと恐怖だったのではないでしょうか?
内海さん:それが、皮膚に悩んでいるあいだは、そちらのほうがつらすぎてパニック障害は出なかったんです。それくらいかゆみが勝っていたのかなと思います。今はいい先生に出会い、かゆみが減り、生活の質は上がりました。皮膚のかゆみは本当に生活に支障をきたします。睡眠はまともにとれないし、そのために薬を飲むと今度は日中、副作用で眠気が出ます。ですから運転ができません。花粉症の方もそうですよね、生活の質が落ちて集中力が欠けますよね。私の場合それが1年じゅう続きました。今はかゆみをコントロールした生活ができて本当に嬉しいです。
── 激しいかゆみとの闘いはつらいですね。上手にかゆみをコントロールしながらご自身の体調と向き合ってらっしゃるんですね。
内海さん:よく「皮膚と闘って偉いね」「大変だね」などと言われるんですけど、私としては全然、闘ってないんですよ。病気って闘っちゃうと身が持たない。これは身をもって学んだことです。どうやってラクに共存できるかということや、どうやって生活の質を上げていくかがテーマなんですよ。私の場合、食べ物にはすごく気をつけていて、とくにアレルギーに関わる食べ物は慎重に選んでいます。先日は栗を食べて、ブワーーっと症状が出たので調べてみると、アボカドやトマトも同じアレルゲンらしくて。そうなるともう恐怖でしばらくは不安なものを全部食べたくなくなるんです。リスクのあるものを食べないことで予防できるという道が残っていますから。そうやってうまく共存していかないといけないという生活が身について、もうだいぶ慣れましたけどね。