顔を合わせて2回目で「この人と結婚するかも」と直感

── プライベートでは、6年前に写真家の萩庭桂太さんと結婚されました。どのように出会ったのですか?

 

宮前さん:CoCo時代に一度だけ撮影してもらったことがありました。特に親しかったわけではなく、カメラマンとして名前だけずっと知っていたんです。今の料理の仕事を始めて、サラダのお店をプロデュースするときに、PR記事を書いていただくための撮影で30年ぶりくらいに再会して。上野動物園のなかで撮影することになったんですが、当日はお互いひとりで来ていたんです。ひとりなんだ、と思ったのと同時に、なぜか「この人と結婚するかも」…と感じて(笑)。撮影が終わって、夕食を一緒に食べる流れになりましたが、そのときはそのまま別れました。その後、またすぐに会う機会があり、今度みんなでご飯行こうよってとんとん拍子に話が進んで…気づいたら結婚していましたね(笑)。

 

── 30年ぶりに再会した方と結婚されるとは…ご縁があったんですね(笑)。結婚後は犬を飼い始めたとか。ワイマラナーのエルマーちゃんとの暮らしはいかがですか?

 

宮前さん:夫婦の会話はほぼ犬の話ですね(笑)。ご飯は何を食べたか、うんちの状態がよかったか、この2点は必ず話題になります。エルマーは結婚して2か月くらいでわが家にやってきたんです。友達の犬を預かったとき、ペットショップにその子のトイレシートを買いに行ったらエルマーがいて。私は一目ぼれだったんですが、夫はペットショップから犬を飼うのは大反対で、せっかくだから保護サイトからにしようと言っていました。

 

でもどうしてもその子が気になって、何かと理由をつけてペットショップに見に行っていたんです。だんだん大きくなっていって、ケージに入らないくらいになってきたので、お店の方に「売れ残ったらどうするんですか?」って聞いたら「郊外のペットショップでも売れなかったら保護犬サイトに載せます」と言われたので、じゃあ今から飼っちゃおうよって、うちに連れて帰りました。

 

宮前真樹さんと愛犬・エルマー
エルマーと戯れる宮前さん

── エルマーちゃんの食事も野菜や肉など栄養たっぷりで、とても気をつけていますね。

 

宮前さん:出会ったときは生後3か月だったんですが、体調をしょっちゅう崩していて。毎日のように病院に連れていき、薬だとか点滴だとかを受けて、獣医さんからはあまり長生きできないかもと言われていたんです。自分があまり薬に頼りたくないタイプなのもあって、エルマーにもずっと薬を飲ませ続けなければいけないのがイヤで…。自然の素材を使った手作り食で自分の体調も変わったので、この子も食事から変えてあげたいと思って始めました。獣医さんがやっているセミナーで勉強もしました。こうして始めたことが結果的に今、仕事に繋がっています。犬のフードの仕事が、今いちばん楽しい趣味でいちばん楽しい仕事かも。何より、今エルマーが健康で元気に育っているのが嬉しいです。

 

砂浜を駆ける宮前真樹さんと愛犬のエルマー
砂浜を駆ける宮前さんとエルマー

── 次々と新しいことにチャレンジしていますが、今後の目標は?

 

宮前さん:何か大きいことを成し遂げたいという野心はなくて、今私と一緒にお仕事をしているチーム、かかわっている人やスタッフの人たちと楽しく年を取っていきたいです。自分個人としてはちゃんと年を取っていきたい。老けていくことを受け入れて、諦めるのでもなく、「ちゃんと年を取る」のが目標です。

 

PROFILE 宮前真樹さん

みやまえ・まき。1973年生まれ、新潟県出身。1989年、アイドルグループ・CoCoのメンバーとしてデビュー。2004年に芸能界を引退後、ル・コルドン・ブルー東京校にて製菓の基礎を学ぶ。2909年より食育活動を開始。ロールケーキブランド「maq bon」代表、犬の管理栄養士など多岐にわたって活動。

 

取材・文/原田早知 写真提供/宮前真樹