80年代後半に人気を博したアイドルグループ・CoCoのメンバーとして活躍した宮前真樹さん。華やかなアイドル活動の裏で、過食拒食を繰り返し、心身ともにボロボロに──。そんな宮前さんを救ったのは「断食道場」だったそうです。(全3回中の2回)
デビュー後2年で10キロ増「ブスになった」とファンから手紙が
── CoCoで活動している時期は、多忙で食生活が乱れていたそうですね。
宮前さん:デビュー当時はすごく痩せていて、156cmで38キロしかなかったんです。そのころは夕方の6時くらいには和食がベースの夕飯を済ませているような、太らない生活でした。ところが、デビューしたら、楽屋にいろんな差し入れが届くんですよね。そのほとんどがケーキとか甘いもので…。食べないとくださった方に悪いかなと思って食べていたら、1曲目から2曲目がリリースされるまでの5か月弱で5kgも太ってしまいました。
でも、それまで太ったことがなかったので、本当にどうしたらいいかわからなくて…。18歳のころにはデビュー時からくらべてマックス10kgくらい太ってしまったんです。ファンからも手紙で「太りましたね」とか「ブスになった」などと言われて。でも、ダイエットの正しい知識がないから、偏った情報を頼りに、何も食べない、おなかをくだす、海藻だけ食べる…みたいな、負のスパイラルから抜け出すことができませんでした。
── 大変な思いをされていたのですね…。
宮前さん:痩せたり太ったりを繰り返したことで、メンタルの浮き沈みもありました。CoCoの活動のなかで最大のイベントが武道館でのコンサートだったんですが、そのときまでの1年間がいちばんメンタルの落ち込みがひどい時期でした。過食・拒食を繰り返して、この会場にいる全員が自分のことを嫌いなんじゃないか?なんてことまで考えてしまって。あのときのDVDをいまだに見ることができないんです。
主食は板チョコで全身に吹き出物が…訪ねたのは「断食道場」
── それはおつらかったでしょう。その後、CoCoが解散した後はソロでバラエティ番組に出演される姿をよく見かけましたが、状況は変わらなかったのですか?
宮前さん:そのころも、ほとんど食べないか、主食を何も食べずに板チョコだけ食べるとか、本当に最低な食生活でした。そのせいで体じゅうにいっぱい吹き出物ができてしまったんです。幸い顔には出なかったんですが、皮膚科で一つひとつ吹き出物をつぶしてもらったり、高額な施術を受け、薬に何十万円もかけたりして治療したのですが、よくならなくて。
そんなとき、たまたま伊豆健康センターの断食道場の情報を見つけたんです。夏休みだけ1週間続けてオフをもらっていたので、それを利用して参加しました。そのときに、断食だけじゃなく、座学で食事や体のことを学びました。断食しているあいだ、自分の体の変化と向き合うことができて、痩せてすっきりしたし、肌もきれいになったんです。でも東京に戻って人と食事したり外食したりしているうちに、あっという間にリバウンドしてしまって。そこでやっと、「食べないことより食べること」がこんなに体に影響を及ぼすんだということを学びました。
── それから食を大事にするようになったと。
宮前さん:まだ本格的ではないですが、食べないことばかりやってきて、きちんとした食事をすることを考えたことがなかったことに気づきました。確か、23歳のころだったと思います。まず、お米を玄米にして、野菜多めの和食中心に自炊するようになりました。もともと料理は好きだったんですが、見た目の華やかな洋食やパスタを作ってみんなで食べるのか好きで、あまり自分のために食事を作ることをしていなかったんです。仕事場にもお弁当を作って持っていくようになって、徐々に調整していきました。