「深夜までお酒を」の生活を脱し
── 具体的に、体質改善のためにどんなことをしたのでしょうか?
川村さん:まずは食生活から見直しました。当時は外食ばかりだったし、仕事時間も不規則でした。仕事のストレスを発散するため、深夜にたくさんお酒を飲むのも日常茶飯事。そんな生活を改め、自炊を始めることに。最初はご飯とみそ汁を作る程度の簡単なものでした。
あるとき、たまたま行った和食屋さんで、食事の最後に出たぬか漬けが感動するほどおいしくて、おかわりするほどだったんです。私が「おいしい、おいしい」と喜ぶ姿を見て、和食屋の大将が「ぜひ自分でも漬けてみてください」と、ぬか床をタッパーに入れてわけてくれました。それがきっかけで、自宅でぬか漬けを漬けるようになったんです。それが、体質が大きく改善するきっかけになりました。
── ぬか漬けが体質改善に役立ったとは意外です。具体的にどんな効果があったのでしょうか?
川村さん:ぬか漬けって「手塩にかける」という言葉どおり、ちゃんと手入れをしないといけないんですよ。毎日かき混ぜて、うまみを出すために昆布やくず野菜を入れるなど、手間をかければかけるほど、おいしくなります。夏と冬では発酵具合も変わるから、漬ける時間も異なるし、奥が深いんです。おいしいぬか漬けを作るために試行錯誤しているうちに、ハマっていきました。毎日漬けた野菜を食べるようになったことで、まず便秘が改善されたんです。
芸能界で仕事をしていると便秘は職業病みたいなものです。時間も不規則だし、交感神経が常に働いているので、胃腸の働きが鈍くなりがちで。でも、毎日ぬか漬けを食べ、食物繊維をたくさん摂取するようになると、お通じがよくなって。老廃物が排出されるので、肌もきれいになりました。小腹が空いたときも、ぬか漬けだけを食べていましたが、食感がしっかりあるので満足感があります。自然とお菓子なども食べなくなり、健康的にダイエットもできました。
目に見えて体調がよくなり、「食べものによってこんなに身体の調子は変わるんだ」と実感したんです。そこからさらに食事にこだわるようになりました。味噌や塩こうじなどの調味料を自分で作り、ご飯も玄米に変えました。鶏肉や魚も、塩こうじに漬けるとグッとうまみが出て消化もしやすくなります。自炊を続けているうちに、ホルモンバランスもよくなって、病院で検査をすると数値も改善していきました。
食生活に凝り始めて健康管理士の資格を
── 食生活が健康に大切とはよく聞きます。川村さんは実際に食事に気をつけることで、そのことを実感されたんですね。
川村さん:そのとおりです。忙しい毎日を送っていると、簡単な食事で済ませがちです。でも、身体って毎日食べるものによって作られています。だから朝食だけでもご飯を炊き、みそ汁を作ってみるなど、ほんの少し手間をかけてあげるだけで、体調は変わってくると思います。凝り性だから、生活習慣病などの疾患や老化にともなう困難を予防・改善するための助言をおこなう健康管理士一般指導員、ジュニア野菜ソムリエ、発酵プロフェッショナルなどの資格も取得し、現在は分子栄養医学を5年ほど学んでいます。
── ご自身の経験から、食事の大切さをたくさんの人に伝えているんですね。
川村さん:はい。私自身の経験から学んだことを、多くの人に伝えたいです。あとは、自分の身体のサインに耳を傾けることも大事だと思います。生理不順や生理痛があっても、それが当たり前だと思いがちです。でも、じつは重い病気が隠れているかもしれません。ちょっと変だな?と思ったら、すぐに病院で検査してみたり休息をとってみたりするなど、自分をいたわってあげてほしいです。
PROFILE 川村ひかるさん
かわむら・ひかる。1979年生まれ。グラビアアイドル、マルチタレントとして活躍後、体調不良を改善させるためにJAAアロマコーディネーター、健康管理士、ジュニア野菜ソムリエ、発酵プロフェッショナルなど、さまざまな資格を取得。現在は妊活マイスター講師、分子栄養学カウンセラーとして不定愁訴に悩む方へのサポートを務め、会社経営など実業家としても活動する。
取材・文/齋田多恵 写真提供/川村ひかる